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シャドウダンス3魔弾の射手  作者: 緑青ゆーせー
102/220

100シド

「え、…なぞなぞを出すの?」


少女はニコニコと、


「いろいろな問題を出すのだ!

でも、君ってきっと、こういう柔らかい問題が良いかなぁー、と思って!」


両手に不気味な操り人形を嵌めて、喜んでいる。


「ああ…、そうなんだ…」


とても嬉しそうなので、真子はそれで納得することにした。


雨上りに出る棒…、なかなか、意表を突いた問いではあり、戦いに感情が高まっているときに言われると、え、となってしまう。


棒ね…、と真子は考え、


あ…、ぼう…、か…。


たぶん、これだろう…。


「答えるよ?」


少女は両手の人形と共に、うんうん、と頷いた。


「れいんぼう…」


「あったりぃー!」


何処から出てきたのか、人形の口からクラッカーがパーンと鳴った。


少女はキャアキャア喜んで、


「次行く?

次も、行くよねぇ!」


「人は解放したのか…?」


真子は聞いた。


「うん、ほら…」


少女は、魔女らしい人形を、ぺろ、っと取った。


「もう、これで大丈夫だよ!

ね、次の問題っ!」


せがむ少女に、真子は苦笑しながら、


「判った。

次を聞かせて」


ひょう~、と少女はジャンプし、


「じゃあね、じゃあね!

空より高いところは何ていうんでしょうか?」


また、なぞなぞか…?

それとも、宇宙とか言い出すのだろうか?


答えが、2つある、という場合も考えられた。


「それ、なぞなぞだよね?」


真子は聞いた。


んふふ、と少女は嬉しそうに笑い。


「意地悪はしないよ。

なぞなぞ。

当ててみて!」


真子は、そのなぞなぞは知っていたのだ。


ド、レ、ミ、ファ、の次が、ソ、と、ラだから…。


「シド…」


少女は息を飲み、きゅー、と体を丸めて溜めてから、


「大当たりぃー!」


何が大きく当たったのか、まるで判らなかったが…。


「じゃあ、シドに会って来てね!」


いう少女に、へ、っとなった真子、いや誠は、不意に自分が、空より上にいる事に気が付いた。


周りは夜のように暗い。


宇宙である。


そして、足元に真っ青に輝く地球が見えている。


「君が、小田切誠か…」


シド、であろうものは、よく美術室などに飾ってある石膏像、のように、誠には見えた。

ただし、月のように大きい。


「え…っと、あなたは影繰りなんですか?」


とてもそうは見えないが、誠は聞かざるを得なかった。


「影繰りではないが、君たちと縁が無い訳ではないのが私だ。

今は、君に話すことがあった。

聞いてくれればいい。


一人は破壊にしか興味が無く、ついに己の肉体を破壊した。


一人は経済活動にしか興味が無くて、己の最も大切なものまで売り払った。


一人は戦いにしか興味がなく、かたきと信じる物との戦いを切望している。


一人は殺しにしか興味がなく、いつか己が殺されることを切望している。


だから君は、己が内のクシャラを発見しなければならない。


穴から出たら、もう、彼らは動き出す。

だから猶予は無いぞ」


誠は、


「じゃあね、また会おうね!」


という人形遣いの声を聴きながら、ビルから落ちていった。




誠は落下しながら、なんだ、クシャラって?


と首を捻っていた。


(なあ誠?)


颯太が話しかけてくる。


(今、考えているんだけど!)


むっ、と文句を言う誠だが、颯太が、


(お前、今、スカート履いてるんだぞ。

パンツ丸出しだぜ)


うわ、と誠は慌てて空中で態勢を変えて、パンツを隠した。


そして影の手で地面を掴んで、フワリ、と地表に降りた。


美鳥たちは、既に人形遣いの支配を逃れて、呆然と立っているようだった。


「誠、人形遣いは殺したのね…」


誠は、


「あ、いえ…、謎を解いて、2人を解放しただけです」


「謎…、あの難解な問題を解いた、というのね…」


違う問題を出されたのだろうか?

まぁ、少女も色々出す、とは言っていたが…。


「それよりも、俺の話を聞くぎゃ!」


と、真子の腹から、ホムンクルスが出てきた。


「え、君、そんなところに入っていたの?」


驚く真子に、


「お前が引っ張ったのぎゃあ!」


とキレた。


「レディさんが、どこかにいるんだったね」


真子が頷くと、


「そうぎゃ!

すぐに来るが!」


と急かすが…。


まだ、福と良治とユリが動けなかった。


真子が話すと、


「そうなのね。

透明人間…。

なら、探してみるわ…」


美鳥が大量の蝶を周囲に広げ始めた。

透明人間が生きた人間であれば、美鳥が何らかの痕跡を掴める可能性が高い。


勇気は、義郎に他の仲間の事を聞いていた。


「俺は、途中までハマユさんとレイナと一緒だったんだよ。

だけど、変な人形遣いが現れて、捕まってしまったんだ」


「美鳥さんは別行動だったんだ?」


「うん、あの人は俺を助けようとして、謎が解けなくって…」


「どうも…」


美鳥が話し出す。


「その辺りには、思うより多くの人間がいるみたいよ…」


真子たちは、福が立っている方向を見た。


「5人の人間の存在を確認しているわ…」


「5人!」


真子は驚いた。

確か勇気が3人に見える、と言ったので、3人という事もあるかも、と考えていたのだ。




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