↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/52

49話 ガリズバリー辺境伯②

サンドライト達は皆先日サガン国首都サガンで新調した服に着替え、ガリズバリー辺境伯の夕食に参加した。


夕食の席には、ガリズバリー辺境伯の他に、長女のクロエ、長男のタルエル、次男のエミリオットが揃っていた。


それぞれ挨拶を交わし席に付いた。



「アレク君、皆さん、ワシの病の原因が毒だった事、すでに治療が済んでる事はワシの身内にも内緒にしてもらえないだろうか?」

「家族、召使いにはいらない心配をかけたくないから、挨拶の時ワシの子供達、執事、召使い達を秘密裏に見てもらえないだろうか?可能なら気づかれないように治療もお願いしたい」

「結果だけ後で教えてほしい、その代わりアレク君の要望になるべく添えるようにこちらも頑張らさせてもらう」

夕食に招かれた時、辺境伯に頼み事をされたが、サンドライトの希望に近い開拓条件を与えてもらえる事になり、サンドライトは快く了承した。


執事、召使いに毒に侵されてる者は居なかった。


辺境伯の子息子女3人は皆体調の優れぬ顔色をしている。

2人は状態異常になっており毒に蝕まれていたが、1人は状態異常にはなっていなく、健康体だった。

健康体であの顔色はメイクしてるんだろうなとサンドライトは思った。

サンドライトは伯爵の願い通り、毒に蝕まれている辺境伯の子供2人に【ヒール】を気づかれない様に唱えた。


2人は、自分の体の異変に気がついた表情を見せたが、何が起きたかははっきりとは分かってはなさそうだった。


食事後、皆で雑談を楽しんだがその後、辺境伯とサンドライトは2人きりで書斎で話をしていた。

「アレク君、先に約束の書状を渡しておくよ」

「結果を聞く前に、済ましておきたかったからね」

書状は3枚有り、1枚目が開拓地の割当の内容だが、面積だけで言えば、サンドライトの故郷リーゼの3倍以上の面積を貰い受けたが、3年以内に森、林を除く平地25%以上を開拓をする条件が付いている。


2枚目は開拓地の運営の条件

開拓開始3年間は税金免除。

4年目からは街の人々(個人店等含む)は所得の3割、工房(会社)等は利益の3割

サンドライトが開拓した街の命名権

開拓民として、サンドライトの街に他の国、他街の人間の受け入れ許可(犯罪歴の有る者は基本不可)。


3枚目が、開拓地での、他国との交易許可。

条件は、開拓地又はサガン国内に本拠地のある商会を経由しての交易。

他の国に本拠地の有る商会を介しての交易は禁止。

サンドライトの開拓した街で作られた全ての商品に関する権利を、サガン国、ガリズバリー辺境伯は税金を約束通り支払ってる限り、束縛介入を一切しない事。


これは辺境伯にサンドライトが願い出た案件だった。

これから色々と商品開発を考えているが、外部介入から権利、関係者を保護してほしいと。

この世界に商業ギルドというものが存在はしてるが、冒険者ギルドのように横の連携が必ずしも図られていないということだった。

特許と言う考えもまだこの世界では無く真似したもの勝ちなので、そういう面では商業ギルドはほぼ機能していない。

辺境伯からは、ロザリアセベス2世にも同じく、交易許可と、束縛介入不可免状を願い出たほうが良いと勧められた。


ズレイに本拠地を置いてるケリーさんと前もって開拓地について話をしており、辺境伯とうまく話が付いても、税金収入を確保するためサガン、又は開拓地内の商会を経由しないと交易は認めないだろうと予想はしていた。

ケリーさんは、本拠地をサンドライトの開拓地に2年以内に移す約束をしている。

サンドライトは1年は開拓に専念して、2年目を交易のための土台作りを考えている。

通常は10年から20年は開拓して安定するまで掛かると言われている。


辺境伯から、開拓地関連の書状、免状を受け取った後、サンドライトが話した。

「辺境伯のお子さんの内2人が毒に蝕まれていて、【ヒール】で完治してます」

「3人の子供の内2人が毒に蝕まれていたか」

「はい」

辺境伯は驚く素振りを見せなかったが、瞳は悲しみに満ちていた。


「アレク君はワシが名前を聞かない限り、誰が毒に蝕まれていて、誰が毒に蝕まれていなかったか言うつもりは無いのか?」

「はい、命の関わる事ですが、辺境伯の家庭内で起きた出来事なのも事実です。当主が聞かれるならお話しますが、聞かれないのなら敢えて僕から話す事では無いと思っています。」


「うむ、確かにアレク君の言うとおりだ」

「今回は身内の恥でも有るし、敢えて名前は聞かないでおこう」


「アレク君は敢えて他でこの話をする事もないと思う」

「はい、今回の出来事は辺境伯の家庭内の話だと思っています」

「ありがとう、君の心遣い恩にきるよ。なにか困ったことが合ったら遠慮なく相談してほしい」

「辺境伯、お心遣い感謝いたします」


書斎から一礼して出ていくサンドライトの後ろ姿を見て、辺境伯は悲しみのため息を付いていた。


サンドライト達は、ガリズバリー辺境伯の館を後に与えられた開拓地へ向かった。


「貴族の偉人の食事だから楽しみにしてたのに、がっかりだったなの」

「うむ、あの者の食事より主の食事のほうが格段に美味しいぞ」

辺境伯の夕食は、この世界では豪勢であったが、調味料、調理法が単調で味だけで言えば、サンドライト達の普段の食事のほうが美味しく、特に、ブラーセルとキュウレリーは不満で、移動中の馬車で愚痴をこぼしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。