47話 アースドラゴン討伐後
サンドライト達はルブランのギルド本部に転移した。
本部受付に行くと、ギルド職員も慣れたもので直ぐに応接室に案内された。
本部長と、ギルド幹部達が応接室に訪れたのでこれまでの出来事を説明した。
アースドラゴンは素材として、捨てる部位がなく是非購入したいと言われた。
ギルド買い取り窓口では無理なので、倉庫に行き、空間収納から1体15メートル級アースドラゴンを1体取り出した。
ギルド関係者全員がため息を付いた。
これ程傷がない綺麗なアースドラゴン素材は見たことがない。
切り口を見ると首をひと振りで落とされてる。
「うちがシュッってやったなの」
ギルド本部長が遺体、切り口を見て感心してると、キューレリーが無い胸を突き出していた。
「もしかして、九尾様ですか?」
「うち、善良な九尾なの」
本部長が恐る恐る聞くと、キュウレリーは嬉しそうに答えた。
出来れば2体買い取りしたいと言われたが、リーベンのケリーさんにも世話なってるので1体はリーベンのギルドに売価したいと話すと、ギルド長は納得してくれた。
凄い、アースドラゴンの体に剣や弓の傷が無い。
有るのは擦り傷だけだ。
こんな見事な素材は是非全部ギルド本部で買い取りたいと思った。
しかし、ギルド本部長は我慢し考えを改めた。
サンドライト殿はギルド本部が何も言わずとも、アースドラゴン1体の素材を持って来てくれた。
30m級は、被害のあったザイード鉱山の街に復旧物資、食料と交換するのも反対は出来ない。
もう一体も、前回リーベンのギルド長の機転で直ぐにギルド本部に、アレク殿の案件を持ち込んでくれた、リーベンのギルドなら致し方ないかと思った。
アレク殿はまだギルド本部を大事に思ってくれているから、欲をかいてはいけないと自分に言い聞かせていた。
ただ、ギルド本部長には一抹の不安が有る。
アースドラゴン3体を一つのパーティーで殲滅したと成れば、サガン国の王が黙っているのだろうか?
今までの情報だと現在の王は人となりもしっかりしていて、無理な要求はしない人物像だ。
愚王では無いはずだが、王の周りの者に愚者が居ないことを祈るしか無いか。
ギルド本部長はため息を小さくついた。
その後サンドライト達は、リーベンのギルドに行き、ギルド長ダニエルにアースドラゴンの素材買い取りを願い出た。
ダニエルは、アースドラゴンの遺体を見て発狂していた。
こんなに綺麗なドラゴンの遺体など見たことがない。
リーベンギルド支部としては、今回の買い取金額はキャパを越えているが、最初的には大きい利益を上げる。
ダニエルは、サンドライトに事情を話し、買取金額を全額即金ではなく、2回に分けての支払いにして貰った。
サンドライトは、ギルド本部長、ダニエルが喜んでる姿を見て、ロザリアギルド支部での件で救って貰った恩を少しは返せたかな、と思っていた。
アースドラゴン素材売買の話が済んだ後、ダニエルはサンドライト達と茶を飲みながら、あの事件の後のロザリアの街の話をした。
ロザリアギルドに所属していた冒険者達は、ロザリアギルド閉鎖後はロザリアと隣接してる6つの街の何処かに籍したという。
漆黒の翼の3人は事件後、リーベンのギルドに移籍して、ジャイアントスパイダー討伐に挑戦していたが、結局1匹も倒せず、解散したそうだ。
現在3人はバラバラになり、この近辺のギルドには登録していなく消息不明らしい。
ロザリアの元ギルド周辺の店舗は以前より活気が無くなったそうだ。
元ロザリアギルド職員達は、グルバリア王国内の街道作りの肉体労働を1年済ませると、開放される。
元ロザリアギルド長テオドールは永久犯罪奴隷を言い渡された翌日自殺したそうだ。
エリザベートは、【テラヒール】を使えるため、グルバリア連邦王国で1番信者の多い、人類平等愛を主張してる、ラナーゼ教で預かり、教会で無償治療奉仕させられてるらしい。
ダニエルさんの話では、ロザリアの冒険者、街の人、漆黒の翼のメンバー達は全員口を揃えて、
「エリザベートさえこの街に来なければ、こんな事にはならなかった」
と口々に言っていて、自分達の行いは棚に起き、被害者のように話していて、不愉快だと言っていた。
その話を聞いていたサンドライトは、何も言わなかった。
人は、優しくも有り、弱い生き物でもあり、魔物にもなれる生き物だと改めて感じていた。
改めて自分自身をしっかり持ち、前世の自分にも訣別し、意思を持ち後悔しないように生きていこうと心に誓っていた。
リーベンのギルド長ダニエルと別れた後、サンドライト達はサガンギルド支部に戻り、1500人以上で予定されていた巨額のアースドラゴン討伐報酬、大金貨400枚を受け取った。
ホワイトローズの3人はこの後仕事の依頼が有ると、サガンで別れ、サンドライト達5人は馬車でガリズバリー辺境伯領地に向かった。




