33話 大人の事情②
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夜が明けた。
昨日は本当に色々あった。
トゥバイス山脈のウルフネスト山でパーティーを突然首になり、独りぼっちになり、ブラちゃん、九ちゃんと会い、セリシア、ランゼムさんと一緒に行動して、今はルブラン国首都ルブランのグルバリア連邦王国ギルド本部に居る。
あんなに色々あったのに、僕、セシリア、ランゼムさん、九ちゃんには【ヒール】を唱えてから寝たから、寝起きでも疲れが無くすがすがしい気分だ。
取りあえず、ブラちゃんを迎えに行かないと。
セシリア、ランゼムさんに声をかけてから転移した。
ウルフネスト山麓の小屋の前で元の姿のブラちゃんが寝ていた。
「おはようブラちゃん」
「主、待って居ったぞ!主が居なく寂しかったぞ!」
僕は中で眠らせてるエリザベート達全員とブラちゃんを空間収納に入れて、ギルド本部の僕らが昨日泊まった仮眠室に転移した。
部屋の中で、僕、セシリア、ランゼムさん、ブラちゃん(小型犬サイズ)、九ちゃん(小型犬サイズ)の5人で、僕が空間収納から取り出した、焼きたてのパンと、搾りたてのミルクの朝食を取った。
今8時か、僕が懐中時計で時間を確認したらランゼムさんが、
「懐中時計て言うんですよね?、小さい時計は初めて見ました」
「ママから貰ったんだ」
ランゼムさんが驚いた顔をして
「アレク君は大貴族だったんですか?」
「平民だよ」僕が言うと
「アレクだから」とセシリアが言った。
「そうだった、アレク君だもんね」とランゼムさんが笑って言った。
会議が長引いて時間が掛かると言う事なので、ブラちゃんの使獣証明を申請した。
手続きは簡単で、ブラちゃんと、僕の血を使獣証明の首輪に垂らして、名前が浮かび上がれば手続き完了だ。
この首輪はマジックアイテムで、首輪に密着してる部分に合わせてサイズが伸縮するみたいだ。
主アレクサンドライト 使獣ブラックドラゴン と文字が出た使獣証明の首輪をブラちゃんに付けた。
もし首輪を付けた使獣が問題を起こせば主登録者が罰せられる。
「ご主人様に迷惑などかけないよ」
ブラちゃんと九ちゃんに説明したら元気よく返事してくれた。
「セシリアは今後どうする予定?」
「もうあのパーティーには戻る気もないし、ロザリアにも居たくない」
「もしアレクが許してくれるなら、一緒に行動したい」
セシリアは、もう自分の考えを押し殺すのは止めにしようと、勇気を振り絞り言った。
「許すも何も、セリシアは今まで一度も僕を卑下しなかった。それが嬉しかった」
「今回の件が片付いたら、一緒に旅に出よう、セシリア」
アレクはセシリアなりに前に進もうとしてるのを感じた。
「ランゼムさんは今後予定はあるの?」
「予定は来年まで詰まってるが、アレク君が誘ってくれるなら是非同行したいと思っている」
「アレク君と居ると、今迄とは違う景色が見れそうだしな」
「実は考えてる事が有って、是非ランゼムさんには協力して欲しいです」
僕は二人が一緒に同行してくれることになって嬉しかった。
「ご主人様、僕は一生同行するよ」「主殿うちは一生同行するなの」
ブラちゃんと九ちゃんが大きな声で言ってきた。
ギルド本部の決断次第だが、僕は自分の道を見つけた。
迎えが来る迄5人で色々話をしてたら部屋のドアがノックされた。
時計を見たら、午後2時過ぎだった。
皆と話してたら楽しくてあっという間に時間が過ぎていた。
ギルド職員の方が迎えに来たので、後を付いていった。
ギルド職員は、小型犬サイズのブラちゃんと、九ちゃんが凄く気になったらしい。
うわっ!本当に黒いドラゴンと、尾が九つあるキツネだよ。
本物なのかな? ギルド職員は緊張していた。
立派なドアの前に案内された。
ノックして中に入ると、リーベンのギルド長ダニエルさんと、男性6人、女性4人が居た。
一通り挨拶を済ませて、空間収納からエリザベートさんを取り出し眠りから覚ませた。
エリザベートは状況を理解していなかった。
「正直に全て話したから、早く治してよ!」
「もう一度尋問して正直に答えたら本当にアレク君が完璧に治療します」
ランゼムさんがエリザベートに言った。
今回は僕のほかに、ギルドの用意した真偽判定できる2人の3人で判定する。
前回より細かい内容で尋問した。
結果は前回と同じだったが、一部、少しおかしな結果がでた。
エリザベートが計画した ハイ
主犯はエリザベート イイエ
エリザベートは計画を実行した ハイ
悪いのはエリザベート イイエ
悪いのはテオドール ハイ
悪いのはカルヴィン ハイ
悪いのはヒルダ ハイ
悪いのはオーウェン ハイ
悪いのはセシリア ハイ
悪いのはギルド職員 ハイ
悪いのはロザリアの冒険者全員 ハイ
悪いのはロザリアの街の人 ハイ
悪いのはアレクサンドライト ハイ
エリザベートは被害者 ハイ
エリザベートは犯行も内容もすべて認めてるが、自分は悪くないと信じてる結果が出た。
3人の真偽判定でも嘘の反応はなかった。
これはこれで恐ろしい結果が出た。エリザベート的に反省する理由が無いのだから。
片足が膝より下が無く、もう片方は深く引き裂かれ、腹部も何か所か爪で裂かれた傷を【テラヒール】を唱えたため傷跡が無惨なことになっている。
片手も噛み千切られたのか無くなっている状態だ。
そんな状態のエリザベートに約束通りサンドライトは【ヒール】を唱えた。
エリザベートの身体は、すべて治癒し元の奇麗な状態に戻った。
「おおおお」
初めてアレクの【ヒール】効果を目の当たりにした室内に居た、ギルド本部関係者は、驚きの声を上げていた。
その後、エリザベートを眠らせ、空間収納に戻した。
ブラちゃん、九ちゃんの使獣証明の首輪の確認をしたいと4人のギルド本部関係者が凄く震えながら確認作業をしていた。
もう一度会議をするので、仮眠室で待っていて欲しいと言われたので、5人は移動した。
ざわめきが止まらない立派な会議室で、皆がため息をついた。
ダニエルの報告は全て事実だった。
ロザリアのギルド長が貴族の子息のパワーレベリング斡旋の件。
自分の好き嫌いでのギルド規定外の理由でのA級冒険者資格剥奪の件。
この件については、ギルド本部でも多分本当だろうと予想はしていた。
ギルド本部関係者が驚いたのは、アレクサンドライトの情報がすべて本当だったことだ。
今の所彼は我々の指示に抵抗などしていから、このまま飼いならす事も可能では?
今は大人しいが、我らに敵意を持ったらギルド処でなく大陸に300年前の悪夢が起きるぞ。
しかも今回は九尾様だけではなくブラックドラゴン様迄居るのだぞ!
・・・
会議室の全員が無言になった。
長い話し合いが続いた。
結論は無欲で彼の処遇を決める事になった。
絶対に彼らに敵意を持たれぬ様に、好意的に捉えて貰える様に
彼に対して敵意を示した者たちは厳しい処分、
我らは彼に一切敵意が無い事を示す事に決まった。
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