↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/52

28話 漆黒の翼⑤

ポイント、評価、ブックマーク誠にありがとうございます。連載の励みになっています。

漆黒の翼のパーティーは全員山頂に向かって走ってた。


ランゼムがエリザベートに全員に【ヒール】を唱えて回復するように頼んだ。

最初は嫌がっていたが、このままでは皆全滅だと説得した。


随分走った。皆疲れがにじみ出てる。


・・・

皆の動きが固まった。

目の前にはこの山の最高位主プラチナサーベルウルフが2頭、岩の上からこちらを見ていた。


漆黒の翼のパーティーメンバー全員が息をのんだ。


昨日迄のパーティーならプラチナサーベルウルフも、素材稼ぎの1種だったが今は違う。

更に後からはオーガ軍団が迫って来てる。


セシリアは既にオーガ軍団に魔法攻撃を唱えすぎて魔力枯渇寸前だった。


ランゼムは決断した。

「皆前に進むぞ!」

皆震えていた。後ろから貴族子息の鳴き叫ぶ声が聞こえた。


下手に後ろに下がって、ゴブリンの波に飲み込まれるより、

ゴブリンの波を後ろに付けて前進した方が幾らか生き残れる可能性があるかもと。


ランゼムが前に進むと、セシリアがランゼムのコートの端を掴みながら付いてきた。

他の者は立ち止まったままだった。


「このままゴブリンの波に飲まれて死ぬのと、ゴブリンの波を後ろに付けて正面突破!」

「どっちが生き残れる可能性があるか考える迄もないだろ!」

ランゼムはもう一度大声で叫んだ!

その言葉を聞いて、皆が万が一の可能性に掛けて、頂上に向かって走った。


「エリザベート!全員に【ヒール】を頼む!」

ランゼムがそう叫んで間もなく、エリザベートが次々【ヒール】を唱えた。

エリザベートも、今誰に従うのが生存率を少しでも上げれるのかとっさに判断した。


ランゼムは心の中でため息をついた。まさかA級パーティーをポーターが仕切るなんてな、と。


プラチナサーベルウルフ迄後70メートル。

後のゴブリンの波が約200メートル迄近づいてきた。


漆黒の翼メンバーは全員ひたすら走った!


・・・


全員が目を疑った。

目の前の岩にはプラチナサーベルウルフの群れが居た・・・

20頭は居る様みたいだ。


「皆!立ち止まるな!とにかく前に進め!後ろの波だけには飲まれるなよ!」

「心を奮い立たせて皆頑張るんだ!」

ランゼムは折れそうな心を奮い立たせ、大声で叫んだ!


「ランゼムさんに続け~~~~!」

後から声が聞こえた!


プラチナサーベルウルフ迄20メートルの距離になった時、

、一斉にプラチナサーベルウルフ群れがこちらに向かって来た。


皆が恐怖で目を瞑った!走りながら。

ランゼムの横を何かが通り過ぎる風、気配を感じる。

後の方で、

「ぐぅるるるるるるるるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」とプラチナサーベルウルフの声が聞こえる。


た、助かったのか?

眼を開けたら目の前に2頭のプラチナサーベルウルフが居た。

残りの群れはゴブリンの波に向かって走って行った。


2頭のプラチナサーベルウルフは、牙と、鋭い爪で交互に攻撃してきた。

「ぎゃ!」「いやだぁああああ」「うわぁああああ」

横や後ろでパーティーメンバーの悲鳴が聞こえる。


「ぐぅわぁああああああああああ」

ランゼムの片腕が噛み千切られた!


「いやぁぁぁぁあああああああああ」

セシリアは片足をかまれ、片足を噛み千切られた。


死を覚悟したランゼムはせめての想いでセシリアに覆いかぶさった。

どうせ死ぬなら誰かを助けるチャンスを生かす!


この子は、このパーティー唯一の正真正銘のA級冒険者だ。

気持ちが弱すぎるのが気になるがまだ若い!

「こらえろよ!」

ランゼムはそうセシリアに叫んだ。


「ぐぅわぁああああああああああ」

ランゼムの背中がプラチナサーベルウルフの爪で引き裂かれる。

ランゼムは背中が燃えるような熱さと痛みを感じで叫んだ。


近くで同じような雄たけびの様な悲鳴がこだまする。


ランゼムの体の下には、セシリアが仰向けの状態で倒れてる。

ランゼムは自分の体の下にセシリアの体が隠れるように這いずった。

「ごめん・・・な・さ・い・・・ごめん・・・・・な・さ・い・・ア・レ・・ク・・・」

セシリアから、ぶつぶつと本当に小さい声が漏れてる。まだ息がある。


沢山の、苦しむ声が聞こえたが、悲鳴は消えた。

ランゼムが辺りをゆっくり見まわすと、近くにはプラチナサーベルウルフの姿は見えなかった。


「エリザベート!手を噛み千切られた!早く【テラヒール】唱えてくれ!」

「こっちもお願い!腹を引き裂かれたわ」

「足が!足が亡くなった!早く再生してくれ!」

皆がおのおの叫んでる。


「【テラヒール】に再生能力なんてないわよ」

エリザベーとはそう叫びながら、自分にだけ【テラヒール】を何度も唱えていた。


「エリザベート!お前聖女なんだからみんなを治療してくれ~~」

カルヴィンの声が聞こえた。


・・・聖女エリザベート・・・・・

思い出した、以前長期でポーターを依頼された時、東大陸で冒険者から聞いた名前だ!

「東大陸の快楽の性女エリザベートか」

私は思わず声を出していた。


「な、なんで、あんた、その名前知ってるのよ」

傍から動揺したエリザベートの声が聞こえた。


「ひっ!」

エリザベートが小さな悲鳴を上げたから気になり、横を見ると、

エリザベートの視線が上空に向けられていた。


上空を見上げるとそこには無数のワイバーンが旋回していた。



連載のモチベーションのためにも、ポイント、評価等よろしければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。