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27話 漆黒の翼④

ポイント、評価、ブックマーク誠にありがとうございます。連載の励みになっています。

漆黒の翼のパーティーは今、ホワイトファングウルフ三匹と交戦中の真っただ中だ。


ウルフネスト山に来て3日で47体のホワイトファングウルフを倒した者たちが今は、

僅か三匹のホワイトファングウルフさえ倒せずてこずっている。


セシリアは、素材を傷付けたく無く【アイス】系で壁を作っていたが、

そんな悠長な事を考えてる状況では無くなっている。

セシリアの横に居た者の指示で、一番苦戦してるヒルダと戦ってる敵に、

【ギガファィヤー】を唱え1匹を倒した。

これで後二匹になった。

これなら、カルヴィン、ヒルダ、オーウェンで何とかなるはず。

私に指示を出した者も同じ意見だった。


少し余裕が出来たので、セシリアはエリザベートを探した。

あの人は大丈夫なの?

・・・

エリザベートは何もせず、パーティー後方の大木の陰に寄り掛り戦いを見ているだけだった。


次に、貴族子息一行を探した。

エリザベートとは違う大木に3人固まって身を潜めていた。


ランゼムさんは先程から私の隣に居て私に的確な指示を出してくれている。


セシリアは少し呆れていた。

ポーターのランゼムさんとエリザベート上級魔法士の現在地が逆でしょう、と。


ランゼムさんは、今のこのパーティーの実力では絶対にワイバーンに勝てないと言っていた。

私も、今日のメンバーの戦闘を見てる限り無理だと思う。


セシリアは、両手を握り、「アレク、ごめんなさい、罰が当たったみたい」とつぶやいた。


前衛3人が残り2体のホワイトファングウルフをやっと仕留めていた。


セシリアは直ぐに【テレパシー】でパーティー全員に話しかけた。

今回はワイバーン討伐はあきらめて、山を下りようと提案した。

ヒルダとオーウェンは直ぐに賛成した。今日の自分たちは体調が悪いからと。

カルヴィンは今まで此処に何度も来て、討伐は全部成功してたと諦めきれてない状況だった。


エリザベートは悩んでいた。

以前クイーンを倒した時と、今回の戦いが余りに違いすぎるからだ。

前回の戦いは方はSランク級だったのが、今回はセシリア以外3人はBランク以下に見えた。

ワイバーンの群れの討伐をしなければ貴族から受け取った大金貨50枚を返さなければいけない。

お金は返したくない。

でも、今のこいつ等の力でワイバーンは倒せるのか?・・・無理だろう。


エリザベートはもう一つ悩んでいた。

昨日迄3日間でこいつ等はホワイトファングウルフ47体倒している。

何故今日突然こいつ等は弱くなったのかと。


昨日のこいつ等と今日のこいつ等の違いを考えれば答えはすぐ出る。

でも、エリザベートは認めたくなかった・・・。

「チッ!宝物と粗大ゴミ、みやまったか」


宝の中にゴミが一つ紛れていたのではなく、ゴミの中に宝者が一つ混じっていたのか。

セシリアは後悔したが、今は生き残るのが先決だ。

此処は山を下りるのが正解だと。



ランゼムは今一度頭の中を整理していた。

少年の事を考えていた。


セシリアに話を聞いた。

つい最近まで皆凄く仲が良かった事。

このパーティーで一番少年を大事にしてたのは、カルヴィンだった事。

ヒルダもオーウェンも自分の弟の様に少年を大事にしていた事。


此処2ヶ月前後少年の悪い噂が流れてた事。

ギルド職員の少年への態度、他の冒険者の少年への態度もここ1、2ヶ月で急変した事。

そしてここ2週間前後にカルヴィン、ヒルダ、オーウェンの態度が急変した事。


2ヶ月前にエリザベートと初めて会いその時クイーンを討伐した事。

少年と入れ替わるように、このパーティーにエリザベートが加入した事


ランゼムはもう一つ引っかかっていた、エリザベートと言う名前だ。

冒険者カードに記載されてる時点で偽名ではない。

【テラヒール】を使えるのに未だBランク。

エリザベート、エリザベート、駄目だ聞いた事が有る気がしたが思い出せない。


探偵ごっこは此処でやめるとして、まずは生き延びねば。


周囲を警戒しつつ、セリシアの【テレパシー】で話し合い、下山することに決めた。

貴族様一人反対していたが、死にに行くのか?と言われ、しぶしぶ下山に賛成した。

「契約不履行だから前払いの大金貨50枚は帰ったらすぐ返せよ!何がスーパーAクラス冒険者だ!」

伯爵家子息が怒りに震えていたがそんな事はどうでもよかった。


カルヴィン、ヒルダ、オーウェン、セシリアは驚いていた。


ヒルダ、オーウェン、セシリアは、カルヴィンから、

今回の貴族のご子息をパーティーメンバーに加入させる。

今回の遠征で、ワイバーンの群れを倒す事によって加算されるギルド貢献度で、

伯爵家子息をAランク冒険者にする。

報酬はないけど、貴族に恩が売れてこれから色々便宜を図ってもらえる、と聞いていた。


只のはずが報酬が大金貨50枚だった事にヒルダ、オーウェン、セシリアは驚いた。

カルヴィンも驚いていた。

ヒルダ、オーウェンがカルヴィンに問いただすと、大金貨50枚の事は本当に知らなかったと言った。


カルヴィンがエリザベートを問いただすと、

「だからどうしたというの?あなたたちは無報酬でも喜んでたじゃない、ふふふ」

エリザベートは開き直ってた。宝の山だと思ったのがゴミの山だったからどうでも良くなった。


「皆いい加減にしろ!今は生き残ることを考える!」

内輪喧嘩に成りそうになった時ランゼムが怒鳴った。


ランゼムが取り合えずその場を仕切った。


皆下山の準備が整った頃、山の下の方から沢山の足音が聞こえてきた。

大軍勢がこちらに山の下から向かってる。


「チッ!」

カルヴィン、ヒルダ、オーウェンは舌打ちをした。


サンドライトを精神的に追い込む仕上げのため、

エリザベート、ランゼム、伯爵家子息一行含む5人は、先行するパーティーの1キロ後を進んで来た。

後5人が無事に付いてこれる様、念入りに魔物討伐をしてきた。


この山の頂点の一種ホワイトファングウルフを50匹も討伐したのだ。

結果、天敵のホワイトファングウルフの数が減ったため、オーガが兵隊を連れて来たのだろう。

軍勢の足音を聞く限り2足歩行なので多分、大量のゴブリンとオーク、オーガ連合だろう。


「もう下山は無理だ!皆山の上に逃げるんだ!」

ランゼム叫んだ。皆が上に向かって走り出した。


皆が思った。


下るも地獄、登るも地獄と・・・



連載のモチベーションのためにも、ポイント、評価等よろしければお願いします。

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