↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/52

21話 最高の誕生日③

ポイント、評価、ブックマーク誠にありがとうございます。連載の励みになっています。


「ねえ、ご主人様、強い奴と全力で戦いたいですよね?」

ブラちゃんのお腹を夢中で撫でていたら、ブラちゃんが話しかけてきた。


「うん!早く死にたいからね!」

無邪気に主は答えた。

早く死にたいから? 主は何を言っておるのだ? 

世界最強の力を持っておる主が何故?死ぬことを希望しておるのだ?意味が解らぬ。


「ご主人様、いったいどうして死にたいのですか?」

儂は尋ねた。


主は話してくれた。

冒険者として活動した2年間の話を。

そしてつい最近の出来事を。そして今日起きた出来事を・・・。

儂はその話を聞いて胸糞が悪くなった。

人間共はそこまで愚かなのかと!


儂とて無駄に年を取っておるわけではない。

この者が邪念なく物事を素直に話しているのが理解できる。

普通は片方だけの言い分などで話を信じぬが、主の言葉はなぜか素直に心に届いた。


主の様な者が、下らぬ人間のせいで心を痛めたのが、ブラちゃんには許せなかった。


「そんな事があったのですね。ご主人様はまだ死にたいのですか?」

「うん、僕はもう心が限界なんだ。ブラちゃんと会えて楽しかったけど早く死にたいんだ」

主は寂しげな表情で答えてくれた。


ぐぬぬぬぬ!人間共め!この様な優しき主を苦しめて!許さぬぞ!許さぬぞ!

儂が初めて心から屈服した主様を死にたくなるまで追い詰めた人間共め!


しかし突然儂に邪念が浮かんだ。

儂だけが、ブラちゃんという許せぬ名前を貰うのはしゃくだな。

主が授けた名前だから、我慢するが、儂だけがこんな気持ちになるのは癪だな。

奴を巻き込んでやろう。ふふふふふ。


「ご主人様、解りました。ぼくはご主人様の使獣です。」

「ご主人様の希望を叶えます。最強の者の場所にお連れします」

ブラちゃんが凄い悪い表情を浮かべて言ってきた。


「本当なの?強い奴居るの?」

「はい!ご主人様!九尾と言う最強の者がいるよ」

「えっ!九尾てあの伝説の?」

「はい、その伝説の九尾の元にお連れします」


ブラちゃんの話で僕に希望が見えた。

伝説の九尾なら僕が全力で戦って殺されることが叶うからだ。

これで死ねるんだ。これで死ねるんだ。これで死ねるんだ。

僕はやっと願いが叶うと喜んだ。


「ご主人様、ぼくの背中に乗ってください」

ふふふふふっ!九尾待ってろよ。お前を巻き添えにしてやる。

そしてお前は恥ずかしい名前を貰うのだ!

儂が敵わぬ主に、お前が敵うわけないからな。ははははははははは


ブラちゃんが背中に乗ってほしいと言ってきて断ったら、

使獣としてプライドが許さないと言われ、ブラちゃんの背中に乗って行動することにした。


僕はブラちゃんの背中に乗って伝説の九尾の住むフオックスネスト(キツネの巣)山に向かった。

トゥバイス山脈にある、フオックスネスト(キツネの巣)山頂付近に今は住んで居ると言う事だ。


ふふふ、やっと僕は死ねるんだ。この心の苦しみから解放されるんだ。

ふふふ、これで九尾も恥ずかしい名前を付けられるんだ。奴の困った顔が見れるな。


それぞれの想いを乗せて、2人はフオックスネスト(キツネの巣)山頂を目指した。

トゥバイス山脈は北大陸と中央大陸を隔てるように連なってる山脈で広いのだが、

フオックスネスト(キツネの巣)の山頂には30分位で到着した。


僕が【エアー】で飛行した方が早いが、誰かと一緒に行動するのは楽しい事だった。

最近までパーティーのメンバーと一緒に行動していて楽しいと感じていたけど・・・

此処2週間正直しんどかった。心が痛かった。

でも、いまブラちゃんと一緒に行動していて、楽しいと素直に感じてる僕がいる。


でも僕は死にたいんだ。早く心を楽にしたいんだ。


そして僕はブラちゃんに乗って、フオックスネスト(キツネの巣)の山の洞窟中を移動した。


突然、凄いプレッシャーが襲ってきた。

僕は死にたいんだ!楽になりたいんだ邪魔するな!

心の中で想いを叫んだ!


プレッシャーが消えた。

ブラちゃんが何故かにやにやしている。


「ご主人様、この奥に九尾がいるよ」

僕は生唾を飲んだ。これで死ねるんだと。


・・・

奥に進むと・・・


巨大な九尾が仰向けになって九つの尻尾をバタバタ振っていた。

あれ?なんか最近同じ光景を見た記憶が・・・


九尾を見たら、9本あるうちの5本がボロボロだったり半分以上無くなってる尻尾があった。

前足1本は変な方向に曲がっている。

こんな状態じゃ全力で戦えない。僕は全力で戦ったのち死にたいんだ。


「ヒール!」


「お、おぬし、今【ヒール】を唱えなかったか?」

九尾が話しかけてきた。

「うん【ヒール】を唱えたよ」


「わらわの耳がおかしくなったわけではないのじゃな」

「うん」


「・・・・・・・・・・」

九尾は何か言いたげだけどいえない複雑な顔をしていた。

あの目は見たことがある!ママとパパが僕を

「サンドライトだから」と微妙な褒め方をするときの目だ!


九尾、お前の気持ち痛いほどわかるぞ!だがな 主のすることだから しょうがないのだ。


「とりあえず、わらはの体を治した礼を言わせてもらおう」

「そんな事どうでもいいから、僕と早く全力で戦ってよ!」


僕は早く死にたいんだ!早く殺してくれ!心が折れそうなんだよ!

僕はもう死ぬことしか考えられなかった。

ただ、先程迄より心が痛くなくなってる気がするけど。


「おぬし、わらはの態度を見てわからんのか? 降参しておろう」

・・・ええええ!また降参? 降参してたら僕戦えないよ。


僕は絶望に突き落とされた。今にも心は折れそうなのに、頼りの最強は降参してる状態だ。

また降参されて、死ねる希望が打ち砕かれて僕は死ねないことに怒りを感じた!


僕は、僕は、僕は早く死にたいんだ!!!!!!!

僕は自分の怒りを全開に放出した!


「きゅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~ん」

突然九尾は雄たけびを上げた

目の前の九尾が突然


大型犬サイズの可愛い九尾に変わっていた。

その可愛い九尾が仰向けになって尾をふっている。

顔はこっちを見ている。


凄く可愛い。もふもふだ!


しかし股の部分が濡れていた。コイツ漏らしたな。


「うち、善良なきゅうびなの」

死ねない事に絶望したけど、そんなに絶望していない自分がいた。


でも可愛いから僕は九尾の腹をなでながら

「九ちゃん」

と言った途端、きゅうちゃんが目から赤い涙を流してた。

ブラちゃんはご機嫌な表情をしていた。満足そうな満ち足りた顔だ。


嬉しくて泣いてるんだね。ヨシヨシ

僕は九ちゃんの腹をなで続けた。


ぐぬぬ!九尾だけ主に可愛がられて悔しいぞ!儂も!儂も撫でてもらうのだ!


ブラちゃんも仰向けになったので、

片手で九ちゃん、もう片手でブラちゃんの腹をなでていた。


もふもふとひやひやで不思議な感じだった。


撫でてるうちに心がゆっくり戻ってきている感じがした。

僕は夢中で 2匹の腹をなで続けた。


連載のモチベーションのためにも、ポイント、評価等よろしければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。