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11話 こんなに全てうまくいって僕幸せです。

漆黒の翼に加入して1年半が過ぎた。

未だにこのパーティーの名前には慣れない。何故か気恥しい。


カルヴィンはリーダーとしてパーティーをしっかりまとめている。

ヒルダもオーウェンも少しがさつだが気が良く仕事もしっかり熟してる。


セシリアは、【ギガファィヤー】【ギガアイス】と、魔法レベルが上がった。しかも、洞窟内でも酸欠にならない様にうまく【ハイファィヤー】で素材にならない遺体を焼いている。


僕は全部未だに初期魔法だ。身長は142㎝になった(涙)


僕は戦闘中は後方で【ヒール】で回復と治療(状態異常迄、回復させて自分で驚いた)

【グラビティ】で、重力を重くし敵の動きを抑え、見方には重力を軽減し味方の動きを俊敏にしてる。

【アップ】で全員の筋力、体力、攻撃力、防御力、俊敏を上げ

【索偵】で周囲の状況を把握し安全に戦闘出来た。


【ヒール】【グラビティ】【アップ】は普段制御はしていない。

パパママ曰く、僕の魔法は全てゼタ級らしい。

攻撃魔法と違い、制御できなくても周りに甚大な被害は与えないと判断してだ。


ただ、漆黒の翼のメンバーは、僕の【ヒール】【空間収納】をおかしいとは思っていないらしい。

あれでスタンダードだと思ってるみたいだ。


セシリアは流石魔法使いだけあって、何かおかしいという表情でいつも僕の魔法を見てる。

セシリアは僕に直接的には魔法に関する会話はしてこない。パーティーの中では一番仲がいい。


この1年半で、漆黒の翼はAランクパーティーとなり、メンバーも全員A級冒険者になった。

異例の昇級スピードらしい。


僕が加入してからすぐにジャイアントスパイダーを討伐した。

1日かかってぼろぼろになりながら。もちろん、僕が直ぐに【ヒール】で何度も回復したけど。

最初の頃は皆自分の力が強化されて動きをうまくコントロールできなかったみたいだけど、

少し経ったら皆コツをつかんだみたいで、今では1日でジャイアントスパイダーや上位種のレッドスパイダーを5匹は仕留めるようになっている。


ジャイアントスパイダーは間引きも必要なため、ギルドクエストにもなっている。

1体につき大銀貨5枚 素材買取で1体分の腹部で金貨3枚と大銀貨5枚だ。

レッドスパイダーはスパイダーシルクもノーマル種よりさらに上質で、素材買取価格は金貨6枚だ。


1日大体5体ノーマル種討伐で、約金貨20枚分で 税金が20%引き後 16枚を5人で分けて一人金貨3枚と大銀貨2枚だ。

3日分の討伐で、僕の故郷のリーゼの大人の年収を大きく超えてしまう。


グルバリア連邦王国では銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨が通貨として流通している。

それぞれ10枚で単位が一つ上がる。

パン1個が銅貨1~2枚 外で食事をすると大体大銅貨1~2枚、宿が大銅貨4枚~銀貨1枚が平民の感覚だ。


こんなに貰って良いのだろうかと最初の頃は思ったけど、ママには、需要があるからお金になる。

対価だから当然の報酬だと思いなさいと言われ納得した。


僕は毎月1回実家に転移で帰っている。

ママが喜んでくれるし、僕も会いたかったからだ。


ママに初めて駅馬車の出来事を話した時、ぜひケリーさんにお礼が言いたいと、会いに行った。

ママはケリーさんに改めて馬車旅の話を聞いて、

「サンドライトだから・・・」といつもの呆れたような表情をしてため息をついていた。


それ以来僕はよくケリーさんに会い色々話をしてる。

何度も話して、この人は信頼できる人だと思った。


僕が家にお金を入れると申し出てもママに受け取ってもらえなかった。


ただ、パパが亡くなってから、一人の時、暇な時間があるとパパの事ばかり思い出すから、

何か夢中になる事がないかしらと言ってたので、

僕はママに固形石鹸の作り方を、つたない記憶を頼りに教えた。


この世界でも石鹸はあるが、匂いが臭いくてべたべたしている。僕は苦手だ。

この世界には石灰岩があり、南大陸からオリーブ油も入ってきていた。

中央大陸は5大大陸の中央にあるので、他の大陸の商品も色々入ってきて比較的安いらしい。


石灰岩があったおかげで水酸化カルシウムに楽に加工出来、木植灰(材料の木はなるべく固い種類を使った)で炭酸カリウム作り、それ等を混ぜ合わせ出来た水酸化カリウムを加熱してるオリーブオイルにかくはんしながら混ぜて、飽和食塩水を加え塩析して匂いの無い硬い石鹸が出来た

と言っても、何度も分量の試行錯誤をして、満足する硬い石鹸が出来るまで数か月かかった。


もちろん、水酸化カルシウム、炭酸カリウムも手や目につかない様に注意して、口元に布を巻くようにしてもらってる。


最近は凝りだして、他のオイルをオリーブオイルに混ぜたり、香りづけにハチミツなど入れたり色々試してるみたいだ。

何はともあれ夢中になる事が出来て以前の様なママの表情に戻って嬉しかった。


ママが作った石鹸はケリーさんが、「こんな凄いものを作れるのがばれると、国に監視、保護、軟禁される可能性が高すぎる」と、南大陸から仕入れてる事にして、高額で販売してる。

販売価格1個大銀貨6枚だ。リーゼの大人の平均賃金の1か月分だ。

現在は口の堅い戦争未亡人の友達3と石鹸づくりをしている。なかなか儲かってるみたいだ。

「ゆくゆくはこの街の戦争未亡人を全員雇えたら幸せでしょうね」とママは言っていたが、

そこまで大きくするといずれ石鹸づくりがばれてしまうからと、ジレンマに悩まされている


最近は婚約話は出なくなり、妾、愛人になれと、貴族3人に言い寄られたたらしい。

何故か、言い寄ってた貴族3人の屋敷が突然無くなり更地になり、今はそれどころでは無いそうだ。

その話を聞いた僕は

「ママやったね?土魔法使ったでしょ?」

と聞いたところママは、顔を僕から背け口笛をピュ~ピュ~吹きながら

「ナンノコトデショウカ」

と、答えた。それ以上僕は追及しなかった。


漆黒の翼はAランクパーティーの成り、メンバーも全員A級冒険者。

ママも生活に張りが出て、パパがいた頃の様な表情をするようになった。


僕まさに幸せの真っただ中であった。



連載のモチベーションのためにも、ポイント、評価等よろしければお願いします。


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