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蛍光刀 いつ蛍が光るか?  作者: 渋谷かな
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「てゆうか!? 蛍光刀が光っていないのは、物語としていいのだろうか!?」


これは蛍の素朴な疑問である。


「蛍ちゃん! 平和だよ!」

「そうですよ。旅路中に襲われて、楽しい姉妹旅行が、血塗れに染まったら嫌ですもの。」

「桜さん、あなたは死んでるでしょう。」

「はい!? そうでしたね。アッハハハハ!」

「お姉ちゃんが笑って誤魔化している・・・不気味・・・本当に幽霊なの!?」

「何を疑っているの!? 楓!? どんなに人に裏切られても、私たちは人を信じて生きていくと誓い合ったでしょ!」

「うん! お姉ちゃん!」

「楓、あの夜空に光る星を見てごらん!」

「わ~い! きれい! お姉ちゃん! 楓! がんばる!」

「青春ドラマは他の作品でやってくれ・・・。」


本当に蛍を除いて、楓桜姉妹で別の作品ができそうだ。


「クソ!? どこかで盗賊とか、悪神がいるとか、龍が眠る湖はないのか!?」

「蛍ちゃん!」

「なんだよ?」

「バカ!」

「な、なんだと!?」

「蛍さん、よく考えてください。」

「さ、桜さん。」

「もし本当に強敵が現れて戦闘が始まります。」

「はい。望むところです。」

「あなたは後7000字の尺で、どうやって敵と戦うというのですか!?」

「な、なんですと~!?」

「既に1500字使い、残りは5500字。それでも、あなたは戦いたいというのですか!!!」

「ガーン!?」


蛍は初めて気がついた。平清盛、源義経に会いに行く話を打ち上げた手前、壇之浦と京都にはいかなければいけない。尺が無いのだった。


「ま・・・参りました。俺の負けです。」

「分かれば、よろしい。」

「蛍ちゃん! えらい!」


落ち込む俺。


「しかし! 私たちは鬼じゃありませんよ!」

「楓、鬼じゃないもん!」

「え?」

「あなたに戦うチャンスを与えましょう!」

「楓が与えましょう!」

「は?」

「お腹が空いたので、そこのお団子屋の茂みで盗賊が来るのを待ちます。」

「そこを蛍ちゃんが助けます!」

「私たちはお茶とお団子をおいしくいただきます。」

「楓がおいしくいただきます!」

「この物語の初めの頃のネタですね。懐かしい。」

「さあ、隠れますよ!」

「蛍ちゃん! かくれんぼう!」

「おお!」


こうして茂みに隠れること5時間。


「蛍ちゃん! お腹空いた・・・。」

「俺もお腹空いた・・・。」

「私も幽霊だけどお腹空いた・・・。」

「こうなったら、俺の蛍の光でお団子屋を吹き飛ばして、中のお団子を奪うという手が!?」

「やっちゃえ! 蛍ちゃん!」

「いけません! 楓もやめなさい!」


俺と楓を止めようとする桜さんの怒りが頂点に達する。


「いでよ! 悪霊! 生霊! 魑魅魍魎!」

「ああ!? ズルい!? お姉ちゃんだけ必殺技を使うなんて!?」

「俺も負けるか! 輝け! 俺の蛍光刀! この世の夜を照らせ! 夏の世の光!」


こうしてお団子屋さんは壊滅したそうな。


つづく。

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