c
「壇ノ浦に着きました!」
「蛍ちゃん! きれいな海!」
「これは可及的速やかな処理です! 気にしないでくださいね。ほっほほほ。」
ということで俺たちは恐らく鎌倉から壇之浦まで1話で瞬間移動した。こういうことはよくあることさ。ははは。
「蛍ちゃん! おっさんの友達いないね?」
「どこにいるんだろうね。」
「あそこに人がいるから聞いてみましょう。」
海辺に一人の武士が立っていた。
「おっさん知りませんか!」
「こら!? 楓!?」
「うわあ!?」
「どうもすいません。急にお声をかけて。」
「なんだ? おまえたちは?」
「俺たちは旅の者で、壇之浦に平清盛さんという方がいると聞いてやってきたんですが、ご存じありませんか?」
「・・・。」
「知りませんよね。どうも、失礼しました。」
「私が平清盛だ。」
「ええ!? マジで!?」
「やったね! 蛍ちゃん!」
「私たち、すごい強運!」
なんと壇之浦の第1町人が探し人、平清盛という可及的速やかな処理である。これでいいのか?
「なに? 私と戦いたいだと?」
「え? 言ってません。」
「さては源氏の回し者だな?」
「違います!? 違います!?」
「言い訳をするとは見苦しい奴だ。」
「言い訳なんかしていません!?」
「一思いに殺してやろう。」
「なんで楽しそうなんですか!?」
平清盛は何かを呼び出そうと詠唱に入る。
「憎っき源氏の回し者を食べ尽くしたまえ!」
「来る!? 何か出てくるぞ!?」
「怖いよ!? 蛍ちゃん!」
「幽霊でも怖いわ!?」
「いでよ! 平家蟹!」
平清盛は平家のカニを召喚した。
「カニカニ!」
「平家蟹よ! 源氏を食べよ!」
「カニカニ!」
「ちょっと待ってください!」
「なんだ? 命乞いか?」
「これを見てください!」
俺は体から師匠にもらったヘイケボタルを取り出し、平清盛に見せる。
「こ、これは!? 先祖の平将門様のヘイケボタル!?」
「はい。平将門さんは、俺の剣術の師匠です。」
「な、なんと!? ご先祖様が認めたお方であったか!? これは失礼した。」
「俺は蛍といいます。」
「私は楓だよ!」
「楓の姉の桜です。幽霊をやっています。」
「私は平清盛。ここには旅行でやって来ている。」
「といいますと?」
「本当の私は京都で死んだからな。」
「なんですと!?」
「すごく遠い壇之浦まで来る必要がなかったんだ!?」
「そんな・・・。」
「でも、壇之浦でなければ私には会えていないぞ。全ての負の出来事を正に変える勇気を持て、蛍。」
「は、はい。」
あ、なんか今、師匠の面影が平清盛さんにダブった。キザなことを言うのは平家の血筋なんだな。
「せっかく会いに来てくれたんだ。カニ鍋でも御馳走しよう。」
「やったー! カニ鍋!」
「カニ?」
「おまえだ。」
「カニカニ!?」
カニ鍋のカニは平家蟹であった。それに気がついた平家蟹は逃げ出す。
「あ!? 蛍ちゃん! カニさんが逃げた!?」
「待て逃がすか! 輝け! 俺の蛍光刀! カニ鍋になれ! 夏の世の光!」
「カニ鍋! 怨霊! 生霊! 魑魅魍魎!」
楓たちは平清盛とおいしくカニ鍋パーティーをしたそうな。
つづく




