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「いくぞ! 悪霊の神! 光れ! 俺の蛍光刀! 夏の世の光!」
ついに蛍と悪霊の死にぞこないとの戦いが始まった。先制攻撃は蛍から仕掛けた。
「なに!? 夏の世の光が効かない!?」
「キャッキャッハ!」
しかし蛍の必殺技は悪霊の死にぞこないには効かなかった。
「どうやら、おまえは何か勘違いをしているようだな?」
「なんだと!?」
「おまえは所詮、蛍の思念の集合体でしかない。おまえは強くないということだ。」
「どういうことだ!?」
「おまえの強さの源は、源頼家が憑りついていたからだ。言い換えれば、源頼家がいなくなった、おまえなど、私の敵ではないということだ。おまえは弱い! キャッキャッハ!」
「そうだったのか!?」
「蛍ちゃんは良い所に気が付きましたね。」
「楓ちゃん、おまえは何様だ?」
蛍は強敵と戦う度に、最後は自分に取り憑いている守護霊の源頼家に頼ってきたが、その源頼家は、もういない。
「結局、おまえは呪われているのさ。悪霊の神に呪われている奴に幸運なんてない。」
「お、俺はどうすればいい!?」
蛍は、いつの間にか悪霊の死にぞこないのペースに乗せられてしまう。たくさんのことが頭の中を混乱させていた。
「蛍ちゃん! えいえい。」
「引っ張るな。」
「蛍ちゃんってば!」
「しつこいぞ! クソガキ!」
楓が蛍の着物の裾を引っ張る。戦いの最中なので蛍は楓を邪険に扱う。
「蛍ちゃんには見えないの?」
「え?」
「蛍ちゃんの中で光る温かい光が。」
蛍は自分の体を見る。楓の言う通り体の中で何かが光っている。
「こ、これは!? この光は!? ヘイケボタル!?」
蛍の体の中で光っていたのは、平将門に託されたヘイケボタルであった。ヘイケボタルは温かく、どこか懐かしく輝いていた。
「師匠。」
「蛍ちゃん! 良かったね!」
「ありがとう。楓。さっきは怒鳴って、ごめんなさい。」
「やったー! 蛍ちゃんにお礼と謝ってもらった! 楓! すごい!」
「そうだね。楓はすごいよ。俺一人じゃ、悪霊の死にぞこないの言葉に騙されて、呪われたと思い、この小さな温かい光に気づけなかった。楓、ありがとう。なでなで。」
「エヘヘへッ。」
蛍は大サービスで楓の頭をなでなでしてあげる。いつも怒られてばかりなので褒められた楓も恥ずかしそうだった。
「師匠、一緒にあいつを倒しましょう。俺に力を貸して下さい!」
蛍は平将門の意志と共に悪霊の死にぞこないと戦うことを誓う。
つづく。




