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「いでよ! 小鴉丸!」
平将門は予想以上の蛍の成長に小鳥丸を小鴉丸に進化させた。これが本来の平将門の刀である。
「刀が変わったぐらいで強くなったと思うなよ!」
「それはどうかな? 大鴉の翼が羽を羽ばたかせる姿を見るがいい! 闇の羽ばたき!」
平将門の刀から大鴉が翼を広げ羽ばたくように黒い闇が広がっていく。まるで蛍の光を黒く塗りつぶすように。
「光が闇に消されていく!? 闇が広がっていく!?」
「光など闇の前では無力。闇が広がれば広がるほど人々は絶望するのだ。所詮、おまえは虫だった、ということだ。」
「クソ!? 俺と平将門では、こんなにも実力差があるというのか!? ・・・こんなもの勝てる訳がない・・・。」
目の前の光が消え、暗闇が広がっていく、黒が世界を覆っていく光景を見ている蛍は絶望を感じる。黒が広がれば広がるほど蛍は戦うことを諦めてしまいそうになるほど、気弱になっていく。
「終わりだな。蛍。やはり虫は虫だったということだ。」
「俺は・・・虫・・・。」
もう蛍には反論する気力すら残っていなかった。まるで蛍の心も闇に呑み込まれてしまったみたいだった。
「蛍、おまえはよくやった。苦しまないように一撃で楽にしてやろう。この私の手で。」
平将門は小鴉丸を振り上げる。戦意を喪失した蛍にとどめをさそうというのだ。
「俺はこのまま死ぬのか? 平将門も倒せないまま・・・、楓も助けられないまま・・・、」
蛍は諦めていた。自分では、もうどうすればいいのか分からなくなっていた。絶望で動けなくなっていたのだ。
「死ね! 虫けらのように!」
平将門が小鴉丸を振り下ろそうとした。
「諦めるな!」
「!?」
その時だった。築くたちが蛍の元に駆け付ける。築、雪オカマ、火車、玄武、ナメクジ先生、桜、全員が無事である。
「み、みんな?」
蛍が振り返ると仲間がいた。仲間の呼びかけに全てを諦めていた蛍が反応する。
「何をしている! おまえが諦めてどうする!」
「そうだよ! 築は大ガラスの化け物を全て倒したんだよ!」
「私も倒しました!」
「みんなを甲羅で守りました!」
「蛍ががんばっていると思うから諦めずにカラスを倒せたなめ!」
「楓はどうするんだ! 死ぬなら妹を助けてから死ね!」
「み、みんな。」
築たちは必死に蛍を励ました。再び蛍の顔に生気が戻ってくる。
「良い仲間を持ちましたね。」
「あなたは!?」
そこに死神の詠も現れた。ここが一番おいしい登場の仕方だと出番を待っていたのだろう。
「平将門の闇は私が斬って取り除いてあげましょう。だてに闇は斬ってませんから。」
「詠・・・。」
「この死にぞこないを倒したら私と戦いましょう。あなたがどれぐらい強くなったのか、楽しみです。」
「はい!」
生きることを諦めた蛍に闘志が戻った。信じてくれる仲間と、再び戦って勝ちたいと思える相手がいるから。
つづく。




