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「ゲンジボタル!」
蛍の体が光り輝く。蛍は蛍の思念の集合体である。蛍の体は蛍でできている。その蛍の中に源氏のホタルも混ざった。これは源頼朝、頼家、実朝たち源氏と戦い触れあうことで源氏からホタルを託されたからである。
「少しはできるようになったか。」
蛍が全身から源氏の気配を漂わせる光を放つも、平将頼は平然としている。
「いつまで余裕そうな面ができるかな!?」
蛍は蛍光刀で平将頼を斬りかかる。さっきの生身で斬りかかった時より蛍のスピードは速くなっている。
「ふん。くだらん。」
斬りかかってくる蛍。しかし平将頼は、一瞬で蛍の間合いから消える。
「消えた!?」
蛍はゲンジボタルを輝かせ肉体の限界を超えた。しかし平将頼は蛍の予想を超える速さで瞬間移動した。
「おまえなどに分かるまい。私の瞬間移動のカラクリは。」
平将頼は蛍には瞬間移動の方法が分かる訳がないと高を括っていた。
「いや、俺には分かる。」
「なに?」
妙に蛍が自信ありげに平将頼に反抗する。平将頼はは半信半疑で信じない返事を返す。
「もう一度、俺の目の前で瞬間移動してみてくれないか?」
「いいだろう。破れるものなら、破ってもらおうか?」
プライドの高い平将頼は蛍の挑発にのる。今度は平将頼が刀を抜き蛍に襲い掛かる。
「一瞬であの世に送ってやる!」
「こい。」
「なめるな!」
「確かにおまえの言う通り、おまえの技を見極めるのは俺じゃない。」
「なに?」
蛍も自信があるのか、まったく動こうとはしない。
「頼家!」
「お久しぶり。」
「源氏だと!?」
現れたのは蛍に憑依している鎌倉幕府2代目征夷大将軍の源頼家であった。平将頼も頼家の登場が予想外だったので驚く。
「頼家、あいつに瞬間移動がどうやって行われているのか、見極めてくれ。」
「お安い御用だ。その代り、後で少し体を貸してくれよ。」
「いやだ。」
「チッ。まあいい。」
蛍に呼び出された頼家は、平将頼の瞬間移動の攻撃を見極める。蛍も無事に平将頼の刀を避ける。
「かわされた!? だと!?」
自分の攻撃がかわされて戸惑う平将頼。蛍の動きが急に早くなったように見え感じたのだ。
「どうだ? わかったか?」
「もちろん。平家の瞬間移動は・・・速さだ。」
「速さ?」
「平家は時間を止めている訳でも、催眠術を使っている訳でもない。あいつは自分自身を鍛えに鍛えて、瞬間移動のような速さを手に入れたんだ。」
頼家は平将頼の瞬間移動の秘密に気づいた。それは平将頼の努力のたまものであった。
「努力・・・か。」
蛍は楓をさらった平家は嫌いだが、この目の前にいる平将頼は一人の人間として尊敬できると感じた。
「最速である私の瞬間移動を見破ったのは褒めてやろう。だが、それを破る術を持たないおまえは死ぬだけだ。」
平将頼は勝利を確信している。苦労は努力に変えられる。自分は負けることは無いと。
「そそれはどうかな?」
「なに?」
「俺も、まだ全てを出していない。」
「なんだと?」
「とっておきの秘密兵器は最後にとっておくものだから。」
蛍も最速の平将頼を相手にしても、まだ勝利を諦めずに目を輝かせているのだった。
つづく。




