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「ついにやって来たぞ。」
蛍は下野の国にやって来た。この国の下野守を倒せば、楓のいる将門の首塚に張っている結界が全て無くなることになる。
「待ってろ。楓! もうすぐ助けてやるからな!」
蛍は楓を助けることを改めて誓う。
「誰だ!? そこにいるのは!?」
その時、蛍は周囲に誰かがいるのに気がついた。
「遅かったな。待ちくたびれたぞ。」
男が姿を現した。いかにも蛍の敵という感じであった。
「おまえは!?」
見覚えのある顔だ。蛍からすれば屈辱を果たさなければいけない相手だった。
「平将頼!?」
楓がさらわれた時に、助けようとした蛍を吹き飛ばして邪魔をしたのが平将頼であった。
「いかにも、私が下野守、平将頼である。」
そして、また平将頼が蛍の前に立ちふさがろうとしている。
「将頼!」
蛍は怒りの感情が湧き上がってくるのを抑えることができない。
「気安く私の名前を呼ぶな。おまえに名を呼ばれる筋合いはない。」
「そっちになくても、こっちにはあるんだよ!」
「何もできなかった者が、何度、出会っても同じ。おまえは私には何もできない。」
「やってみないと分からないだろう! 俺は以前の俺とは違う!」
「何度やっても同じことだ。」
「ほざくな!」
蛍の怒りの感情が爆発する。平将頼に対する怒りといよりも、自分の不甲斐なさに対する怒りの方が強かった。
「光れ! 蛍光刀!」
蛍は刀を抜いて平将頼に斬りかかる。もう蛍は蛍光刀を自由に光らせることが出来るようになっていた。悲しい時にだけ光ると思っていた蛍だったが、蛍の感情で蛍光刀は光るのだと楓が教えてくれたのである。
「くたばれ! 平将頼!」
蛍は殺意を持って平将頼に斬りかかる。平然としている平将頼は蛍の攻撃を避けようともしない。
「やった!?」
タイミングは絶対に平将頼を斬っている。しかし蛍には何かを斬ったという感触は不思議となかった。
「何をやったんだ?」
「なに!?」
さっきまで目の前にいた平将頼が蛍と間合いをとった距離にいどうしいどうしている。蛍には何が起こったのか分からない。
「確かに斬ったはずなのに!? なぜだ!?」
「おまえなんかには私の能力は分かるまい。」
疑心暗鬼になる蛍。それを、いつもの光景のように眺めている平将頼。
「能力!? こいつの能力はなんなんだ!? その謎を解かないと俺に勝機はない・・・クソッ!?」
蛍は平将頼の能力の謎と戦うことになった。
「平将頼! 俺は昔の俺とは違うぞ! 必ず! おまえを倒す!」
蛍も秘策が無いわけではない。今の自分なら、どんな相手とでも戦っていける自信があった。
つづく。




