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「私、暇じゃないんだけどな。」
ここは上野国。蛍たちが人手不足なので、死神の詠が上野国の新皇の手先の将軍を倒しにやって来た。
「どこにもいないんですけど? う~ん。困った。」
詠は上野守を探すが簡単には見つからない。そこで詠は考えた。
「死者の魂よ! 我の元に集まれ! 魂集め!」
詠は死神スキルで近隣にいる死者の魂を自分の元に集めようとする。次々と幽霊たちが詠の元へ集まってくる。
「皆さん、ここの守り人を見かけませんでしたか?」
「詠様。ここの上野守の多治経明は屋敷にいて、死者の魂を食べているそうです。」
「死者の魂を食べる? それは困りましたね。私の本業の邪魔をしていますね。」
「詠様。私たちの魂を、あの世に連れて行ってください。」
「分かりました。」
読は妖刀、街路刀を抜く。紫の光を放ちながら妖刀は笑う。
「黄泉の道しるべ。」
詠の刀が魂をあの世へと導く。詠の本職は死神であり、これが普通の死神のしごとしごとである。
「ありがとうございました。詠様。」
「さようなら。詠様。」
死者の魂たちは、黄泉の道しるべに導かれ、あの世に向かう。死神の詠に感謝しながら。
「それでは営業妨害をしている者を斬りに行きますか。」
死者の魂があの世に逝くのを見届けた詠は、上野守の多治経明の屋敷を目指す。
「今日は魂の集まりが悪いな? 人が死んでいないのか?」
ここは上野守の多治経明の屋敷。この暗そうな病的な男が多治経明である。
「まあ、いい。蔵にもたくさんの魂を貯蔵してあるし、ちょっと見に行ってみるか。」
多治経明は屋敷から蔵に移動する。しかし見えてきた蔵の方がなんだか騒がしい。
「魂が天に昇っていく!? どういうことだ!?」
蔵の方からたくさんの死者の魂が天に向かって登っていく。
「黄泉の道しるべです。」
「おまえは何者だ!?」
「私? 私は詠と申します。」
そこに居たのは死神の詠であった。魂をあの世に導いている。
「詠様。ありがとう。」
「生まれ変わったら強く生きるんですよ。」
死者の魂は詠に礼をして、手を振りながら感謝して天に召されていく。
「こら!? 私の魂を勝手に逃がすな!」
「え? ダメですか?」
「私が集めた魂だぞ! 私が食べる魂だぞ! 私は新皇様から上野守に任命された、多治経明だぞ! 私は偉いのだ!」
「そうなんですか? 私、知りませんけど。」
「何を!? 私のことを知らないだと!?」
「はい。覚える気もありません。だって、私があなたをここで殺すから。」
こうして死神の詠と上野守の多治経明の戦いが始まろうとしていた。
つづく。




