63
「甲羅を破壊するのは無理だ!?」
築たちの攻撃は玄武には通じなかった。ここで築は考え方を変えることにした。
「どうするんだよ?」
「俺に考えがある。相手を倒すことができないなら・・・仲間にすればいいんだ!」
「すごい! その手がありましたか!」
「何でも防げる亀が欲しい! 大道芸に必要だ!」
築は戦う仲間としてではなく、大道芸人として玄武が欲しかった。築の大道芸にかける思いは本物である。
「何をゴチャゴチャ言っている!? くらえ! 中国・・・。」
「ちょっと待った!」
「なんだ? 怖気付いたか? 命乞いする気だな。」
「違う! 戦うのをやめよう!」
「なに!?」
「俺たちが戦わなければいけない理由はない!」
「そ、それは!?」
「俺たちは人間だが、亀とだって分かり合えるはずだ!」
「分かり合える?」
強敵、玄武の心は揺れている。本当に人間と亀が分かり合えるのかと。
「そうだ! 俺たちは戦う前は仲良しだったじゃないか?」
「しかし、私には新皇様に拾って助けられた恩が・・・。」
藤原玄茂こと玄武は律儀な亀だった。助けられたことを恩に感じているのだ。
「ますます気に入った! 俺はおまえを仲間にするぞ!」
そういうと築は玄武に近づいていく。攻撃する意志はないので、両手を上げながらである。
「ち、近づくな!?」
築の行動に戸惑う玄武。しかし無抵抗の築を攻撃することは玄武にはできなかった。
「うわあ!?」
築は両手で玄武をしっかり掴み持ち上げた。
「俺たちは友達になろう。」
「はい。友達。」
ここに築と玄武は友達になった。常陸国を守る新皇8将の一人、藤原玄茂は消え去った。
「やったよ! 築!」
「なんて良いお話だ!」
雪オカマと火車が感動してもらい泣きしている。
「さあ! 友達になったら、大道芸の稽古だ!」
「おお!」
盛り上がる築たち。
「大道芸?」
意味が分からないので首を傾げる玄武。
「まず、亀の甲羅焼き! やれ! 火車!」
「いきますよ! 火炎地獄!」
「え? え? アチチチッ!?」
火車が炎で玄武を焼く。いきなりの炎の展開にダンスを踊る玄武。
「次、亀の氷漬け!」
「私に任せろよ! 最大氷度!」
「お! 涼しい! ・・・ん? あの寒いんですけど? な!? 凍ってる!?」
雪オカマの氷で玄武は凍る。いきなりの氷に玄武は手も足も出ない。
「最後は火の妖刀斬り!」
「ギャア!?」
築が火の妖刀で玄武に斬りかかる。しかし玄武は甲羅で火の妖刀の火を無傷で防ぐ。
「おお! さすが玄武! これで俺たちは友達だ!」
「これが友達にすることか!?」
「まあまあ。」
「怒らないで。」
「ははは!」
こうして築たちは常陸の国を解放した。楓への道の結界は残り2つになった。
つづく。




