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「大丈夫か!? 雪女!?」
築は倒れている雪オカマに駆け寄り抱きかかえる。幸い氷漬けにされて時間が経っていないので雪オカマは意識があった。
「お・・・遅いぞ・・・築。」
「すまん。どうしても火車が付いて行きたいと駄々を言うから。」
「どうも、火車です。」
「なんかムカつくよ。」
火車は一人寂しい富士山の麓で暮らすのが嫌だった。ということで火の車として築を乗せてやってきた。
「なに? この美しい光景は? 敵なのに美しくて感動してしまう!?」
平将文は美しいものが好きだった。逆に言えば美しいものに弱かった。
「なんだ? あの頭のおかしいのは?」
「美しいのなんて、顔だけだよ!」
「本当にきれいなお嬢さんですね。」
「おまえ、永久零度の世界に招待するぞ。」
少し平将文の価値観に合わせられない築と雪オカマ。火車は見た目だけしか気にしないので美しければ何でも良かった。
「まあ、いい。どんな攻撃も私には効かない。かかかってこい。」
平将文は自信満々である。自分の美しさに酔いしれている。
「いいだろう。俺も手に入れた火の妖刀を使ってみたかったんだ。その美しい顔で試し切りさせてもらおうか!」
築は火の妖刀を鞘から抜いた。遂に火の妖刀の実力が分かる時が来た。
「燃えろ! 俺の妖刀! 炎で全てを焼き尽くせ! 火斬り!」
築の火の妖刀から小さな炎が発生し、平将文を襲う。しかし、平将文は微動だにしない。
「こんな素人が扱ったような美しくない炎では、私に火傷の一つもつけることはできない。」
炎が氷息と同じように平将文に寝返る。美しさの前に氷も炎も簡単に寝返るのであった。
「まだ俺が妖刀に慣れていないからか!?」
「築! 油断するな! 炎を3倍にして跳ね返してくるよ」
「なに!?」
しかし平将文は、既に炎を大きな炎にしていた。そして攻撃態勢に入る。
「美の3倍返し!」
巨大になった炎が築と雪オカマを襲う。一転して形勢が逆転した。
「キャア!? 私、溶けちゃう!?」
「なんとか防がねば!? なんとか!? ・・・そうか! この手があった! 火車!」
「え? 私? ギャアアア!?」
築は炎なので、同じ火属性の火車を盾にした。炎は火車に当たって無事に防ぐことが出来た。
「やったよ! 溶けてないよ!」
「よくやったぞ! 火車!」
「アチチチチっ!?」
築くは火車の丸焼きで平将文の攻撃に耐えた。もちろん雪オカマも無事である。
「美しくない者は、素直に死なないものだな。」
ジタバタする築たちを見て平将文は呆れる。生死を味わう生き物はもがくものである。
「築。私にいい考えがあるよ。」
「ふむふむ。」
雪オカマと築はヒソヒソ話をする。そして話がまとまった。
「見せてやろう。俺たちの大道芸を!」
「おお!」
築と雪オカマの反撃が始まる。
つづく。




