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「読様!? アホー!?」
窮地のアホガラスを助けたのは詠であった。
「あなた、誰のことをアホーと言っているのですか? 殺しますよ?」
「すいません。アホー。」
アホガラスは詠に頭が上がらない。
「よく戦いました。後は私に任せて、少し眠りなさい。」
「よ、詠様。」
詠は傷ついたアホガラスを気遣う。
「あの・・・さっきから私を無視して、話をしないでもらいますか?」
文屋好立が詠とアホガラスの話に割って入る。
「あ、まだいたんですね。忘れてました。」
「なんですって!?」
「眼中に無かったので。」
詠は文屋好立を気にしていなかった。
「ふざけているのですか? それともアホガラス同様、あなたもアホなのですか?」
「アホはアホガラスだけで十分です。よくも私の部下を傷つけてくれましたね。私があなたを地獄にご案内しますよ。」
詠はアホガラスを傷つけられたことを怒っていた。
「地獄に連れて行く? どうやって連れて行くんですか? そんなこと出来ないでしょう。」
「それができるんです。なぜって? 私が死神だからです。」
「死神!?」
「そうです。死神です。」
「死神なんているわけないでしょう。冗談はやめて下さい。」
詠は刀を鞘から抜く。刀は紫色に不気味に輝いていた。
「私の妖刀の名前は街路刀。生あるものを死の世界へ誘うには良い名前でしょう。」
「ふざけているんですか? 変な名前を付けて?」
「変な名前ですか? 誰かさんの蛍光刀よりは良いと思うのですが・・・。」
「真面目に受け取られても。」
詠は意外に素直だった。それに文屋好立は呆れる。
「死神なのに鎌じゃなくてごめんなさい。日本は刀が流行っているので。」
詠は死神だが鎌よりも刀を愛する。
「ずっとふざけている、あなたの相手はしてられません。すぐに切り殺してあげます。」
「切り殺す?」
ふざけていた詠の雰囲気が変わる。周囲に紫の光を放ち始める。
「私の手下を傷つけたあなたを許しません。」
「なんだ!? この禍々しい妖気は!?」
文屋好立も読の変化を感じ取る。さっきまでとは、全くの別人であった。
「あなたは・・・理不尽に殺された犬の魂の集合体と言ったところでしょうか?」
「なぜ!? 分かる!?」
「新皇というのは惨いことをする。」
文屋好立は犬の魂の集まりだった。新皇こと平将門が命を与え人間として生きていたのだった。
「おいでなさい。私が閻魔様の元へお送りしましょう。」
詠の本職、死神仕事が始まろうとしていた。
つづく。




