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「なぜ人間が木の上に登ってこれるアホ―!? 」
現れた安房守の文屋好立は不思議と木の上に登っていた。
「答えは簡単。あなたと同じです。私は人の姿をしていますが、人ではありません。」
「妖怪かアホ―!?」
「それはどうでしょう? 私は新皇様に仕えている元は、ただの上兵。」
「上兵が将軍になったっていうのかアホ―?」
「はい。新皇様のおかげです。」
文屋好立はにこりと笑う。
「それにしても、アホ―、アホ―、とうるさい方ですね。」
「仕方が無いだろう。アホガラス天狗に生まれたんだからアホー。」
「ははは。」
文屋好立は呆れ笑いをする。
「あなたも妖怪なのですから、人間の味方をやめて、新皇様にお仕えしてはどうですか?」
「なにアホ―!?」
文屋好立はアホガラスに新皇の手先になるように誘いをかける。
「別に私は人間の味方をしている訳ではない。たまたま人間側にいるだけだアホ―。」
「たまたま? この世に偶然はありません。全て必然ですよ。」
「そうなのかアホ―?」
アホガラスは少し考え込む。
「アホー! アホ―!」
「カラスちゃん! 油に飛び込め!」
「死ぬアホ―!?」
アホガラスは疲れたので考えることをやめた。
「人間なんか助ける必要はないでしょう? まして人間の女の子など・・・。」
「うるさい! 黙れ! アホ―! 瞬殺鴉!」
「ギャア!?」
一瞬でアホガラスは文屋好立を切り殺した。
「アホは死ななきゃ治らないアホ―。」
アホガラスはつまらないものを斬ったが、これもアホのためだと思った。
「そうですね。でも、アホは死んでも治りませんよ。」
「そうかも・・・なに!? アホ―。」
殺したはずの文屋好立が平気な顔をして立っていた。
「なぜ生きている!? 確かに殺したはず・・・!?」
「私は新皇様のお力で不死身にしてもらいました。」
「不死身!?」
「はい。だから私が死ぬことは無いんですよ。」
ニヤッと不気味に笑う文屋好立。
「気持ち悪い奴め。本当に不死身か試してやるアホー! 頭砕鴉!」
アホガラスは空に飛びあがり、急落下して文屋好立の頭を狙う。
「ギャア!?」
確かにアホガラスの攻撃は文屋好立に命中し、頭を砕いた。
「やったアホー。」
「残念。私は生きていますよ。」
「なに!?」
2度殺したはずの文屋好立が何事も無かったかのように立っている。
「私は不死身なのですから。」
文屋好立が得意げに笑っているような笑い顔をする。
つづく。




