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「ここが伊豆。」
蛍は1人で伊豆にやって来た。楓を取り戻すために、伊豆守の新皇の将軍を倒さなければいけない。
「それにしても海はきれいに見えるが、山道ばかりで大変だな。」
伊豆は決して豊かな土地ではなかった。資源は漁業か林業。田畑が耕せるような平地は無かった。
「それが伊豆の現状だよ。」
その時、蛍に一人の男が声をかけてきた。
「誰だ!?」
「私? 私は平将武。伊豆守をやってます。」
「平将武!?」
男の正体は、新皇、平将門の新皇8将の一人、平将武だった。
「やるか!? 楓を返せ!?」
蛍は刀を構える。
「まあまあ、待ちたまえ。私は君と争いたくない。」
「なに!?」
「戦うのは、伊豆の現状を案内してからにしてしてくれないか?」
「伊豆の現状?」
「もし、君が理解してくれるなら、女の子を返してくれるように私からも新皇様に言おう。」
「本当だな?」
「ああ、もちろん。」
「わかった。」
蛍は渋々だが、平将武の案内で伊豆を回ることになった。
「おお! 将武様だ!」
「ありがとうございます! 将武様!」
「将武様万歳! 新皇様万歳!」
伊豆の農民が悪の支配者であるはずの平将武に集まり感謝している。
「・・・!?」
その光景を蛍は理解できなかった。
「なぜ? なぜだ?」
「理由は地形にある。」
「地形?」
「伊豆は田畑を耕せる土地では無い。かといって漁業や林業は体力のある者しか食べていけない。そこで新皇様は伊豆の農民に山賊行為をすることをお許しになった。」
「山賊行為!?」
「そうだ。伊豆の山林を通る高貴な身分の者や商人から金品を奪うことで伊豆の農民の人々の暮らしは向上した。」
「でも、それは、してはいけないことだ。」
「黙れ! 君には見えないのか! 貧困に苦しみ、子供にもご飯を食べさすことが出来なかった親の苦しみが! 近くに鎌倉幕府はあったのに、伊豆の農民にお米やお金を与えるなどの援助を全くしなかった。ここの農民は鎌倉幕府に見捨てられたのだ!」
「そ、そんな!?」
現実の光景を見ている蛍は疑心暗鬼に陥る。
「しかし、新皇様は見捨てなかった。伊豆の農民に生きる希望を与えになられたのだ!」
「鎌倉幕府が悪くて、平将門が正しいのか?」
もう蛍は伊豆で剣を振るえなくなるぐらい戦意を失ってしまう。
「それは違うぞ!」
その時、蛍の心に呼びかける声があった。
つづく。




