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13話 再びエルディアへ

13話 再びエルディアへ


光が収まった時、見覚えのある白い部屋の中だった。


「またお会いできましたね勇者様」


そこにはエルザがいた。だが、前回見た時より少し疲れているのか顔色が悪い。


「この間はすみませんでした。どうやら私の魔力が足りなかったのか、この世界から直に還されてしまわれたようで…」


エルザは大輝が呼ばれて直にいなくなったのを自分のせいだと思っているようだった。


「ですから今回は魔石に魔力を貯めそれを補助に使いましたから大丈夫です!」


「!、魔石とはなんなのじゃ?」


知らない言葉が出てきて真っ先にマオが興味を持ち目を輝かせながら質問した。


「魔石とは魔力を通して様々な効果を発揮する石です。今回は事前に魔力を貯めておく事で使いたい時に出す事が出来る石を使用しました。他にも火や水を出す事が出来る石などがあります。

………ところで貴女はどちらさまでしょう?」


疲れからか今頃になって大輝1人ではない事に気がついたようだ。


「妾はマオじゃ!訳あって大輝と旅をする者じゃ。そしてこっちがタマじゃ」


「これはご丁寧にどうも。私はエルザと申します」


マオが自己紹介をしついでにタマの紹介も済ませ、エルザは頭を下げながら挨拶を行う。


「うむ、ところでここがエルディアなのか?」


「はい、ここが私の住む世界エルディアです。ですがここは非常に危険です。マオちゃんみたいな小さい子も一緒に呼んでしまったようですみませんでした」


「問題ない、むしろ貴重な体験をさせて貰って感謝しているくらいじゃよ」


「ですが…」


「エルザさん前回呼ばれてから今日まで何日たっているのですか?」


「あ、はい、あれから5日たっています」


エルザが申し訳なさそうな顔で更に謝ろうとするので、無理やり話に割り込み確認したかった事を聞く。どうやらこの世界エルディアとさっきまでいた世界エルグラウンとは時間の流れは一緒のようだ。


「この国の状態は?まだ大丈夫そうなの?」


「あれから何度が小さい侵略はありましたが、どうにか持っているという状況です」


「そうですか。ところで前回、勇者召喚で呼ばれた人は特殊な力が授かるって言ってましたけどそれって強化のスキルですか?」


「強化はこの世界で魔力を持つ者はほとんど習得出来ている基本的な身体強化スキルです。それとは別に神殿に行って神から授かる特殊なスキルの事です」


「ちょっと待って、強化って身体能力を上げる事しか出来ないの?」


「?そうですよ。力を上げたり打たれ強さを上げたり出来るだけです。ですが身体能力が2倍に上がるのは戦闘をかなり優位にしてくれますよ」


「え!2倍限定なの?」


「そうですね。上限は2倍ですが魔力が足りないとそれ以下にはなってしまいますが…」


どうやら大輝の使っているスキルとは内容が違っている。エルグラウンのイメージでスキルの形を自由に変えれる所がエルディアの強化のスキルに影響を及ぼして、イメージで対象も倍率も変えれる本来とは違う強化のスキルになっているようだ。


「<強化>!………大輝よ!妾も強化のスキルが使えるようになっておるぞ!」


「どれぐらいの強さをイメージしました?」


「特に何も考えず魔力を込めて強化を使ったが、……うむ、ナイフを振る感じではエルザの言うとおり2倍くらいの感じじゃのぅ」


マオが装備しているナイフを振り前回との感覚の違いで判断したようだ。

マオも今回エルディアに呼ばれた事で強化のスキルを使えるようになったみたいだが、どうやらエルザの言っている本来のスキルのようだ。


「今の妾は他の魔法が使えぬからはっきりとは言えぬが大輝、お主の強化とは魔力の流れが違う感じがするのぅ」


「やはりそうですか…」


「ところで勇者様。あの、この間は、その、お返事を貰っていないのですが……この国の為に戦ってもらえるのでしょうか………」


「あー、でも軍に対して個人じゃ勝てる気がしないのですが…」


「文献に残っている勇者様は授かった強力なスキルを駆使して大群をなぎ払ったと伝えられています。まずは神殿でスキルを授かりに行きましょう。どんなスキルを授かるか分かりませんがきっと強力なのでそれを見れば自信に繋がるでしょう」


「そうだね、授かる物を見てから判断したほうが良いよね…」


「はい!楽しみですねどんなスキルが授かるか」



強力なスキルを授かると疑わない少し浮かれ気味のエルザに嫌な予感を感じながら付いていく大輝達一行はこの町の神殿に到着した。


「さあ、その女神の像の前で祈りをすると新たなスキルに目覚めるはずです」


不安な気持ちから足が進まない大輝の横をマオが


「妾が先に行っても良いか?」


「大丈夫ですよ。スキルは個人の力、順番なんて関係ありませんので」


そう言うとマオは女神像の前に行き目を閉じた。その後何も起こらないかと思われた瞬間、マオの体が光だししばらくすると治まった。


「大輝よ…頭の中に声が聞こえたのじゃが…確かにスキルは授かったのじゃが…」


妙に歯切れが悪い言葉のマオ。スキルは授かったようだがどうも納得がいかないような感じである。


「それでどのようなスキルを授かったのですか?」


もしかしたら授かる事が出来ずにがっかりしてしまうマオを見るかもしれないと、不安になっていたエルザだが授かったと聞いてほっとして今度は期待に胸が膨らむのだった。


「それが…<回復力促進>と言うスキルのようじゃ」


「回復力促進?」


「怪我や病気の時に早く良くなるようにする…一応、回復魔法のようじゃ」


大輝はマオのステータスを見て回復力促進の所を見てみると、横にLV1と表示されている。どうやら成長系のスキルのようでレベルが上がれば早く回復するようになりそうである。名作ゲームで言う<リ〇ェネ>のようなスキルで徐々に回復する。状況によっては使いやすい魔法だ。


「がっかりしているようだけど状況によっては協力な魔法だと思うよ。それにレベルがあるようで使えば使うだけ強力になっていきそうだしね」


「妾が回復魔法の使い手になるとは…生きていくとどうなるか分からんものじゃのぅ…」


よほどショックだったのかマオには大輝の声が聞こえていなかった。


「さあ、それでは勇者様の番ですね!」


「あー、その、勇者様ってのはやめてもらえないかな…自分でそんな器じゃないのが分かっているから気恥ずかしくって」


「…分かりました。それでは大輝様でどうでしょう」


「ありがとう、では行って来るよ」


本当は様もとって欲しかったが大輝は諦めたように女神像の前に立ち目を閉じた。…マオが言った様に女性の声が聞こえる。


「異世界から呼ばれし者よ。そなたに祝福を授けよう」


その声が聞こえた後、大輝は体の中に熱い力が入ってくるのを感じた。その熱が冷めた事を感じた後ステータスでスキルを確認するとそこには新しいのが増えていた。


錬金術 『消費MP レベル同調 ・・・ 物を変化させる事が出来る。レベルが上がれば変化させれる物、強度、範囲が広がっていく』


〇の錬金術士ではないけどおそらく戦闘にも使えるのであろう。だがこのスキルは勇者が覚えるスキルかと言えば違うだろう。これはどちらかと言えば戦闘用のスキルではない。


「大輝様どのようなスキルを授かりましたか!」


「えーと…その、<錬金術>を授かりました」


「れ、錬金術…」


エルザは止まってしまった。錬金術、どちらかと言えば生産職、武器を作ったり薬を作ったりいろいろやれる複合スキル。だが勇者が覚えるスキルとはあまりにも期待と違いショックだったようだ。


「大輝よ、錬金術とはなんなのじゃ?」


「錬金術のスキルは道具を使わず材料があれば魔力で加工出来るようになる感じのスキルだったよ」


「…そのスキルは役に立つのか分からんのぅ」


「そうでもないよ。レベルが上がればモンスターの足元に一瞬で穴を作ったり武器を作ったり出来るから使い方しだいでは役に立つと思うよ」


「なるほど直接ダメージを与えたりする訳ではないが戦いを優位にする事が出来ると言う訳か、…後はタマお主だけじゃな」


「え!タマも」


「駄目もとじゃ。妾が授かったのじゃから可能性がない訳ではないじゃろうて」


タマはマオと大輝の行動を見習って女神像の前に行き、目を閉じた。するとタマの体が光新たなスキルを習得したようだ。


炎体  『消費MP 5  ・・・ 体に炎を纏い攻撃力と防御力がアップ。炎属性の付加』


大輝のチームで唯一の戦闘スキルはタマだけだった…。このスキルもどうやらレベルがあるようだ。

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