- C 1356話 農民プレイの、4 -
装甲車の隔壁が真横にすっ飛んでいった――馭者の子から、およそ本日いち番の叫びが出た。
恐怖の叫びじゃなく、えーと、絶望の、叫び。
「借り物なのにぃー」
ああ、そんな叫びだ。
装甲車の上で飛び跳ねて、怒ってた。
おお、いいね。
ショタの檄オコぷんぷんも。
こうなんだろ、性癖がねじ変わりそうなトコがあるね。
本人はいたってマジメに怒ってる。
で、更に反対側の隔壁ドアも吹っ飛んだ。
ああ、こっちは蹴り飛ばしたんじゃなく。
内側から爆発したように。
装甲車のフォルク〇ワー〇ンっぽいワゴン的フォルムの変形具合が。
何というか痛み、悔しさ、泣き崩れるような。
「もぉおー何してくれんだよぉぉぉぉおぉ」
兄さん方のバカぁぁぁってな叫びが木霊する。
反響するような地じゃないけど。
装甲車から出たの2体のフレーム。
片や近接格闘に主軸を置いたモンク・スタイル。
ゴリラっぽく上半身が大きく、下半身が小柄に見えるバランスの悪さ。
上半身が移動でも利用されるなら、下半身のは振り子の重りのようなものだろう。
妙にプラプラしてた。
で、馭者の少年が泣き崩れてる別サイド。
内部の爆発から挙がる黒煙から覗く赤い瞳。
単眼のヘッドギア。
ごついガタイに、爆発破城槌を握り、鋼鉄製のガントレットで装甲車の外壁に指圧だけで変形させる握力痕を残す――強化外骨格・土妖精王。
PKKランキングの上位に食い込む“妖精王国”。
その序列、何番目だっけかな。
ま、まあ、いいや。
その王が、来た。
拡声器を持つ、PKのお兄さんも。
馭者の子が別の意味で混乱したの見て、腹の底からゾクゾクする高揚感を味わったとこだ。
《ちくしょー、感じ方はアレだが、これだよこれ。これが欲しかったんだ、ちくしょー》
「ムム!? なんか気持ち悪い波動を受け取った、うへぇー」
ショタもとい、馭者の子が身震い。
瞬時に巣に戻る胆力。
やっぱ、この子も普通じゃないっぽい。
『ワシの獲物は、その三人で良いのかのぉ』




