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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
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- C 1322話 騎士王と獅子王、仮面の王 2 -

 精霊石が安置されているとする霊廟は、王家の墓地でもある。

 お墓参りには、あ、1年に1回『お盆』があって、未だその時期でも無いんで――こうして無理に入ろうとしたら、だ。

 魔女さまがセキュリティよろしく出て来ちゃった訳。

 糞、分かり易い防御結界だよ。

 しかも正攻法では突破不可能な感じさえする。


 なにせ、攻略の要である、マルがやる気をなくした。

「卑怯だ!!」

 仕掛けられたのは開幕デバフだ。

 これは防ぎようのない強制イベントになってるようで、たぶん条件が揃えばわんちゃん。

 今の状態ではこれの攻略は無理スジだと理解させられた。


 いわゆる初見殺し。

 意地悪だよねえ、この魔女さまは。

「コンテンツが消費される時代を経験してるんだよ。脳筋ばかりが手札の火力にものを言わせてた時代があって、そのツケが今のボクらが払わされる。理屈は分かるけど、攻略の手口まで伏せるなんて考察班レベルだよ、コレ」

 何度も挑み、何度も負ける。

 ここに死亡ペナルティはない。

 攻略できるよう最低限のセーフティはあった。

「とりあえず?」

 Aさんが仕切りに声を発して。

「ここは退きますか」

 修道女さんの一言で場が一致する。

 霊廟に入れないのは確定だから、長居は無用だ。

 墓地というだけあって腰にひんやりとした風がかかる――「う、うぅ、ぽんぽん痛く」マルが半べそかきはじめた。

 いあ、わたしもぽんぽんの調子が。



 その夜の舞踏会は賑やかなことが起きた。

 白銀貨のような輝きを纏った、騎士王アーサー卿が社交界デビューした。

 女王陛下の手を取りエスコートして、だ。

 女王も久々の殿方同伴。

 周囲の目は、もう。


 さて、アーサー卿の監視のため。

 ガウェイン卿も鎧ではなくドレスに身を包み、別の卓でマルとしばし歓談中。

 わたしとツレのあおいは。

「他人さまに迷惑は掛けんなよ」

 で見送ったが最後。

 今は何処でスケッチしてるのやら。

 流石に時代錯誤的な西洋風貴族社会の舞踏会は、圧巻。

 絵に残しておきたいという欲求は抑えられんよなあ。


 そういや。

 アバターにスクリーンショット機能があったような。






「陛下主催の舞踏会、お招き頂き恐悦至極――」

 呼んでも居ないのに大声で身振り手振りでアピールする者がひとつ。

 例の獅子王だ。

 自分自身の立場は理解している。

 だからこうやってこの場で大きく見せようとしている。


 誰に。


 そりゃ日和見の貴族たちにだ。

 王位継承権は、後ろ盾の始祖王家スポンスハイムが血統で覆そうとしている。

 アップルクロス辺境伯の分家が同大公の下にあるので、不足事態にあっても良質な血統を擁立できるとアピールしてる。

 やや強引だけど。

 ハイエルフ社会にとっての血統は継承権をも覆すときがある。

 これが厄介なことで。

「――血統、血統と無粋な連中だ。ここは美しい花を愛でる場であろう」

 なんてキザな。

 花に囲まれた線の細い男が反撃。

 おお、これが仮面の王。

 マジで仮面舞踏会の面しかシテねえなあ。

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