- C 1318話 騎士王とポンコツな円卓 3 -
交換条件は、実に簡単だった。
それはもう単純にして明解辺境伯領から出張して、飛び地になっている村や町、方々に張り巡らした街道の整備に尽力すること。
たったコレだけだ。
たったではない。
これは公共事業なので、給金というお手当とお休みももらえる。
また出来高制なので。
励めば、励んだだけ特別褒章も手に入った。
そうして実績を上げると、この手の差配はウナさんの独断場と化す。
彼女の差配能力は群を抜いてた。
傭兵団として仕事を受注すると、人足斡旋ギルドへ孫請けにまで及ぶ細かい発注を行うのだ。
ギルドはこの時、斡旋に際して尽力したので手数料なる小銭を稼いでいることになるのだが。
ウナさんが要求する職人たちの指示が細かいので、必要な人材が右から左に流れるくらいスムーズに、かつ決まった時間の中で複数の公共事業に長く携われるという、まるで革命のようなシステムに組み込まれるようになってた。
斡旋ギルドが紹介した職人は複数の現場を経て戻ってくると。
見違えるようなベテランになって帰ってきた。
◇
「驚きです!!」
公主が漏らした、ウナさんへの評価。
「驚きなのは不効率ながらよく、こんな状態で仕事を回せてたかに、です」
10数年で、街道には緑が戻ってくる。
草刈りや、木々を伐採して、道幅を延長して、砂利や石を履かせる。
これに1年以上も費やして。
次に回るを繰り返す――何年かもすればベテランは監督になって、後進を育てるようなサイクルになるのだけど、非効率なのでベテランが事故で命を落とすような現場も少なくはなく。
この公共事業は殆どが軍部の独占市場で動いてた。
「国軍の成り立ちがソコならそれも仕方ない事ですけど、技術が独占され過ぎて実に勿体ない話ですよね」
さぞ、投じる費用もバカ高かっただろう。
こうして公共事業で一躍、花形の座を射止めたわけだが。
こうなると。
軍部は面白くはない。
決して、王国軍の国防予算は少ない方ではない。
まして目下、都合よく外敵なる存在もあって、平時の約4倍もの予算が議会を通過していくのだ。
ただし監査もまた厳しい。
教化外骨格の建造も安い訳ではない。
多く見積もって、半年ベースで2機が建造されるサイクルで、強化兵士計画とかやってた。
召喚した精霊と融合する実験もそのひとつのようだが。
今のところ、成功例はいつぞやにマルによって全部壊されてしまった。
無念。




