- C 1317話 騎士王とポンコツな円卓 2 -
え、ヤダ、最初からポンコツじゃん。
「騎士王だ!!」
代表してる顔だったけど、騎士王ってフレーズに拘る痛い人になってた。
扱いに困る公主サイド。
「えっと」
「窓口が二つではお困りであろう、レディ。わたし騎士王アーサーがお相手致そう」
こらこら。
勝手に。
「アーサー卿は少し自重願います」
ハナさんの語気が強くなる。
細い目で見るウナさんはと。
あ、死んだフリかな。
動かなくなった。
「すまないな、レディ。貴殿らは円卓の騎士、ここは王としてワレが窓口になった方が、良い」
何の理屈だよ。
てか、屁理屈にもなってねえし。
唐突に席を立つハナさん。
拳の関節をポキポキ鳴らしはじめながら、
「うん、そっか。話が通じないのかこのポンコツの騎士は」
「公主の前でみっともないぞ、ハナ?」
ウナさんが自重するように唱えてるけど。
これ静止目的じゃない。
わたしは彼女を止めようとしましたって既成事実だ。
公主の方も「先ずはそちらで」なんて投げ方をした。
もうね、どっちでもいいと思ったに違いない。
◇
辺境伯領の境界線より内側に通された戦艦は。
黄金色の穂、垂れる壮大な麦の海の中にある監視館に駐留している。
さすがに人類側の機動兵器を領国の主要都市まで誘導するにはいかない。
先ずは公主の忠誠が疑われるからだ。
アップルクロスのような行動も得策ではない。
公主の後ろ盾は現女王のみだ。
陛下が実の母親ならばもっと強く支持してもらえるだろうけども。
残念ながら先の先、長姉の子だ。
勝手が利くとすれば。
婚期の時期くらいだろうか、我儘を言えるとして。
しっかりシメられた騎士王は、納屋の天井に突き刺さっている。
白目を剝いてるのでしばらくは覚醒もしないだろう。
「えっと、死んでませんよね?」
「ポンコツは中身だけですので、頑丈なものです。これで少しはまとも戻ってくれると頼もしい戦力なのですが。彼の元所属組織がどうやって操縦してたのかさえ分かれば...わたしでも御せるのではないかと思うのですが」
それはつまり。
聖櫃騎士団を探し出すってこと。
まあ、迷子になった騎士を探してるかは怪しいけど。
「――で、人探しなのですが」
深く息が吐かれた。
指を合わせて、三角をつくる公主。
「王都にいると思いますか? その方々、えっと」
「マルです。マルとモモチ、フタバにアオイです。おそらくは十数人の単位で行動している筈なのです。時に人助けや、雑事、公共事業などに参加しているかもしれませんが。彼女たちならば、王都を目指していくと思うのです」
「なるほど、心配以上に信頼もなさっているのですね!!」
公主の目が輝く。
そんなに大事な人たちの安否をエルフである彼女に託す。
これも信頼ってことだと分かってるからだ。
「わかりました」




