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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2457/2536

- C 1308話 敢えて名付けよう、其は 3 -

 日も暮れてきたので館の中に入る。

 後宮の最深部ともなると、だ。

 いや、夜が近くなってきたというのもあるのだろう。

 普段ならこの場でお開きにしようって――感じで、隠し扉から隠し階段でも下ってね。んで、水路みたいな地下道なんかを抜けて、どっかの山肌からひょこっと顔を出してところで――ぶすり。

 殺されちゃうんだよ。


「そりゃ考え過ぎだよ」

 Aさんが呆れてた。

 わたしらはAさんの客人である。

 忘れてた。

「...っなんのドラマだよ、流行ってんのか()()()()()?」

 いえ、だいぶ昔に。

 首を左右に傾けるAさんに。

 丸くなったマルを修道女さんが抱えてた。

 あ、それ。

 たぶんモモチさんがしたかったポージング。

「大人しいだよね?」


「遊び疲れたんだと思います」

 そういう事にしておくのか、保護者よ?





 館にまで通された、わたしたち。

 あおいの筆が止まることを知らずに、ただ只管にスケッチしまくってた。

「建築物に興味があるというのはいいけど、細部までは描き切らないでね?」

 ほえ?

「仮に出回ることの無いものだとしても。防衛や、警備の穴になるようなところが描かれてしまっては、従者たちに休まるところが無くなるからよ。だから、そういう意味では少し手を抜いてくださると...主人としては少し有難いのだと思うのですけどね?」

 如何かしらなんて、あおいの生真面目さに水を差した。

 いや、それがあったから根を詰めて、彼女自身も倒れてたかも知れない状況だった。

 これが人の上に立つ者、か。

 よく見てやがる。



「後宮に長居することになってますけど?」

 警備上の問題はまず、脇に置いた。

 モモチさん的には。

 ざっと見渡す気配の所在。

「侍女は昼間の方々だけのように思われますが?」

 後宮への基礎知識は、城下町の斡旋施設などを利用して。

 分かりうる限りの情報を仕入れてた。

 いずれは調査目的で潜り込む必要があったのだが。

「貴族の令嬢たちの事でしょ? ふふん」

 女王も鼻を鳴らして煽ってみた。

 ちょっと偉そうに“()()()”みたのだが。

 あまり様にはなってなかった。

 昼間のと多少のギャップはある。

「あら反応が薄いわね」


「いえ、やや驚いてるだけです」


「えっと、このまま昼間のような話を――」

 気品ある高貴なる人物のソレではなく。

 市井にある田舎者の少年のように。

 女王は鼻の下をひと差し指で擦りながら、

「もちの()()よ!!」


「いえ、ソコはロン、()()()()という返しでございます」

 苦労性発見した。

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