表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1941/2523

- C 814話 王都の戦い 4 -

「河川に隔てられていた、第二商業区にも火の手が」

 報告を受ける。

 王城の塔へ昇った女王のフリをしてきた、河州王。

 彼の目にも燃え堕ちる王都が見えている。

 こう黒煙が偽物の空を、焦がしているような雰囲気――しかし、煙が雲のようにも見えなくはない。

 これで天井のスプリンクラーが刺激されれば、雨らしい水が降ってくるだろう。

「待てるか、いや、そもそも...もつのかこのドームは」

 口惜しいけど。

 指を咥えて見ている事しかできない。



 ドームの管理機構は、環境省所管の国営会社が行ってた。

 見るからにヤバい状況なのに、スプリンクラーの1ミリも動かないんだけど。

 もしや?!


 外では大騒ぎなのに、管理制御室ではブザーの音を切ってた。

 細やかなことで鳴る警戒音には、頭痛のタネとなってて。

 24時間、夜勤中にずっとなる事もあるんで。

 故に切っていた。


 で、彼らだが。

 ここは公務員、やる気のある者は書類の整理。

 やや不真面目は体力の向上と言う名目の練成に励み、それ以外は()()()で花札に興じていた――勿論、支給された“煙草”と“酒瓶”で賭博の最中である。

「貴様ら!! っ、何処へ行った?!」

 制御室に怒鳴り込んできた保安局長だったけど、もぬけの空を見て。

 怒りが頭頂部からスッと抜ける瞬間を感じた。

 いあ、怒ってるけど。


 これは呆れたと言って差し支えない。

 だって誰も居ないんだ。

 赤色灯は回ってるし、ブザー音はないけど気味の悪い発光が部屋を彩ってて。

 もしも、人が駐留してたらならば、間違いなく異変に気が付いてただろう。

「どこだ!」


「どこへ、行った?!」


「どこなんだー!!!!!」

 廊下を走る。

 扉があれば機関室、ボイラー、浄水施設、消化房でも片端から開けて叫んでく。

 流石に煩いので。

「何事でしょう?」

 室長室の固く閉ざされた、防火扉が開いた。

「おお、第一村人発見だ!!!」

 目を擦る男。

 両腕に黒い腕袋をはめ込んだものだが。

「どちらさまです?」


「腕章か、いあ、服装を見て分からんか?! 保安局だ!!!!! いや、もうどうでもいい。一刻も早く消火剤か放水を頼む。これは依頼やお願いではないぞ、王城からの命令でな」

 言葉を紡いでる先から防火扉が閉まりかける。

「こらこらこら!!」


「ちょっと、その指挟みますよ?」


「閉めるなバカたれが!」

 問答が怪しい。

「面倒な人だなあ」


「面倒くさがるな、いあ! 他者の話は真面目に聞かんか、王城よりの命令により」

 保安局長に“下知”とする書きつけが叩きつけられる。

 恐らくは公文書の偽造の類だけど、玉璽によく似た印章による“女王の命令”として――如何なる大事にかかわる事の無いように。管理局は一切を中立で保つように――とも取れるような文言で書かれた書だった。

 筆跡も寄せてるだけだろうけど。

 口頭で下知するよりもよっぽど説得力があるし、保安局長だって。

 女王自ら『なんとか頼む』なんて言われてなければ、この文章を信じたに違いない。

「マジかよ~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ