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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1942/2523

- C 815話 王都の戦い 5 -

 王城に駆け付ける筈だった河州王軍だが。

 火の回りが早い歓楽街の消火作業に追われてしまい、王城へと兵を進める余裕がなくなってた。

 まあ、それでも後宮兵の1万と比較すると、質で勝ってるだけの寡兵でしかない。

 どこからか「戦は数だよ、兄貴!!」とか聞こえてきそうだ。


 しかも...

 烏合の衆だってバラバラに戦えば、数的有利を失って簡単に撃破が可能だ。

 那岐少将の指揮する宦官兵がそうであってくれるなら、願ってもない話だけど。

 白服と呼ばれた者たちだって、威張り散らしてた愚図な将でもないから。

 馬上から激だの、指示だの飛ばして()()()()()()()()戦闘小単位なんかを作って、王城とその外で挟まれた時に備えて準備していた。



 さて、もう一つ。

 王都の外周に位置する陸軍省に属する駐留軍のことだが。

 こちらの兵力は、3000か5000人ほどから成る精兵であるとか。

 政府のコントロール下であれば、王城の危急を聞きつけて行動が起こされているようなものだが。

 大臣の感触は“微妙”とのことらしい。

「探るなと言っただろう?」

 女王に扮してる河州王が、艶のある裏声で諫めてた。

 この声は――

 御簾の向こうからよく聞いた声であったと、皆が御思う。

 改めて、よくそんな甲高い声が出るなあと。

「声変わりしなかったからな、普段の...野太いのは地じゃないんだ。あれは声が潰れるもんでな、出した後はしばらく戻らなくて...難儀したものだが。なんでこんな話になる」

 種明かしはいいけど。

 確かにそんな情報はどうでもいい話だ。


「確かに探るなとは言ったが、感触が鈍いというのはどういう事だ?」

 王都の外だから、高い城壁の更に外。

 もう野営しているような感覚で。

 駐留しているイメージもない。


 だからと言って、拗ねるような性質でもないから。

「恐らくは管理機構と同じ」

 偽計に落ちている可能性。

 玉璽を偽造し、王都内で災害訓練を行うとか事前告知しておいて。

 とはいえ、訓練と実戦ではやはり雰囲気と言うか、張り詰め方が違うだろう。

 こう、緊張とかの。

「未遂や失敗を繰り返した結果...」


「賢くなったとか、いやいや止めてくれよ...それこそ今更だ。が、こちらが兵を集めきれていない点では、白服どもの()()()を見誤っていたことは認めよう」

 孤立させるはずが、反対にそう、させられている。

 王城内の雌雄も決した頃。

 白服の城内蜂起が鎮圧された――まとまった兵力さえあれば、白服の精兵とて敵ではない。

 尖塔に入城したのは、泉州府の将兵たちである。

 王城の壁に掲げられる「泉」という銘の軍旗。

 数からすると、百余りか。

「陛下!」

 陸軍相に海軍相をかき分けて、

 精悍で若々しく、凛とした表情の将が返り血を浴びて登場する。

 周りからは「御前である! そのような無粋な姿で礼を欠いている」と諫められても居たけど。

 河州王は、その将に合う事とした。

 女王の身代わりだけど、なんとなく従ってしまうサガのよう。

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