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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1940/2524

- C 813話 王都の戦い 3 -

「何者...です?」

 モルドレッドは角の者に声を掛けた。

 反対側の通路では、直線状に曳光弾が飛び交ってる様子で――赤く灼けた光る射撃線が幾重にも走って。

 金属を弾く音に、爆ぜる音。

 今まさに戦闘中って感じで。

『ここいらの空気は、その』

 ああ、と。

 モルドレッドは唇を舐めて。

「大丈夫ですよ、出来るだけ換気はしました。美味しいと表現できるかは主観ですし」


「了解した」

 防毒マスクを外したようだ。

 くぐもった声がすっきりと耳に届く。

 そうして聞けば女性の声で。

「私は、ハナ・コメ。故あって、魔王軍に籍を置くが、君らの救出に参戦した」

 そう、ハナ姉は淡白に回答してた。

 対する聖櫃の騎士たちにとって『援軍だ!!』と素直に喜んだかは、あまりよく分かっていない。



 暫く姿の見えない者通しで問答をしていて。

 ハナ姉的には「そっちに行っても撃たないでくれよ」的なニュアンスで関係が構築できたと思い。

 そりと、角から腕を挙げて現れる。

 耳の横を鉛の弾が掠めて行く――血の気が下がった気分と、やや怒りを覚え。

「撃つなって言ったよな?!」

 出島で頭を抱えるモルドレッドがあった。

「いや、こっちの攻撃じゃなくて~」

 出島にもおっかない穴が開いてて。

 少し彼女が仰け反って無ければ、自慢のおっぱいが破裂してたかもしれない。

 そんな、射線で。

 その直線状にハナ姉の頭があったというのだ。


 反乱軍と化している元気な白服どもが。

 看守たちの武器を奪ってやりたい放題。

「ったく!」

 ハナ姉の後ろに控える、摂州王の兵たち。

 一騎当千ばりの彼女の背中に惚れた様子で、2~30人ほどがついてきた。

「対岸の通路、なんとか出来るか?」

 イラっとしてた様子。

 頭も掠めれば、まあ。

 5、6人ほどの屈強な男たちが重火器を握り直す――武器庫から引っ張り出した、設置型の機関銃をだ。自前で幾重にも重ねたベルトで固定して、担いで持ってきたようで「我らにお任せあれ!!」と、頼もしい返事で元来た廊下の奥へと消えた。

 対岸の通路へは、十数メートル下がったところに分かれ道があった。

 地上層の敵兵力は壊滅させてあるけど。

 ハナ姉は念のためにと、後方警戒部隊を置いてた。

 数は200も無いんだが。

 戻ってきた6人の装備を見て――

「何か必要な武器はあるか?」

 6人はそれぞれに、各人の装備の見直しを図る。

 まあ、対岸の攻撃部隊がしっかり牽制していれば流れ弾もなかった訳で。

「この区画の壁ってどの程度だろうな?」

 200人の顔が険しくなる。

 なんとなく察しがついたからだけど。

「生き埋めにするか、みんなで一緒に圧壊したいってんなら...ロケット弾でも持っていくか?」

 与える気は無いけど。

 6人も首を傾げてから、横に振ってた。





 王都での決戦は数の暴力では無く、質の暴力と化してた。

 市民生活に直結する、商業区や居住区には戦火が及んではいないんだけど。

 誰かが火を放ったから花街、遊郭、遊興区なんかが火の海に呑まれてしまってた。

 ドーム内の空気汚染は辛うじて防がれてるけども。

 このまま燃え続けるのであれば、酸欠気味になるのは必然。

「誰が、こんな事を!!!」

 王城内で久しく取り乱す河州王の姿があった。

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