表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1938/2525

- C 811話 王都の戦い 1 -

 外圧に一縷の望みを掛けてたっぽい河州王は、今まで何をしていたのか。

 ぶっちゃけると()()だ。


 欧州ナーロッパは利益がなければ遠征する理由がなくなる。

 すでに莫大な資金と、それぞれの国の思惑が絡み合って形になった――極東の事変解決問題。

 これは東洋と北天の大陸戦争では無く、北天から“燕”という国が独立した事変にされた。

 いや、そうなっているんだ。

 最初から。


 で、国土の幾らかを回復させるのに手伝った、欧州連合軍は今。

 北天に報酬を求めている。

 東洋は河州王の根回しにより、北天が捨てていった地域の分配によって。

 新体制の国家を認めて貰えるよう、取り付けたといったところだ。

 その代価が北天人の土地なのだが。



 王城の玉座に転がる、男娼たち。

 眩暈でもするような強烈な媚薬が香にのって、撒かれた部屋。

 で、その玉座はずっと空のまま。


 見たい者はずっと、かつての女王の姿を空いた玉座に見ていた。

 彼女はもうこの世に居ないのに。




 種を明かそう。

 そう言って、薄絹の衣を纏った河州王が、玉座の間に()()

「我が姉、寧花は死んだ。2年と少し前のことだ...私と入れ替わり、市井の浮世を楽しみたいと外に出た折の出来事だ。勿論、彼女の死に不審なものはない。ただ、偶然にも食中りから来るものでね...あっけないと死に方だったのは覚えている。それからは女王の代わりに私が、政務にここへ籠る事が多くなった」

 近しい側近たちしか知らない事実。

 いあ、その側近も後宮にある皇太后も、女王が病死したことを知らない。

 ごくごく近しい身の回りの従者は、河州王が用意した自分の近衛である。

「ふふ、この国は面白いシステムがある。国の大事となった時、双子の片割れが血統を継ぐという慣習があって、母にも眉目秀麗で武才も併せ持つ、逞しき妹君があられた。しかも双子...だが、その方の力は借りられない。そして、姉と私は姉妹では無かった」

 狂気じみた嗤いが、毒牙ののよう香の満ちた部屋に響き渡る。



 閉じられてた部屋を開け放っても、毒は抜けきらない。

 大臣たちや、宦官でさえ入室に躊躇してた。

「もうこの国に女王は、女王となれる者はいないのさ!!」

 転がるように入室し、床に這いつくばった宦官は太監。

 宦官すべての長であり、権力の象徴めいたもの。

 彼は腕を伸ばし、玉座へ希望をつなぐ。

「ま、未だ、皇太姫さまが!!!」

 そうだって声が挙がるけど。


「その娘は、城州王。兄上の学び舎にあるでは無いか、戯けたか?!」

 その沸き立つ声を一瞬で黙らせた。

 女王を廃して即位する者が、継承順位を見落とすはずがない。

 皇太姫は早々に消息不明かもしれない。

「姪っ子だからと手加減するような兄では無いから、まあ、心配しかないな」

 ちょっと他人事。

 愛した人の娘とはならないようだ。

 そこは身代わりとして王宮に入った後で心変わりしてた。

「さて、この戦いだが」

 王城を取り巻く不穏な空気。

 城内でも、女王近衛と白服の謀反人たちの間で衝突が起きている。

 事前に配置させてた兵なのだろう。

 数で圧倒されていたし、大臣の顔ぶれも僅かに少ない。

 買収されたか、或いは事前に知ってて逃げたか。


 いずれにせよ。

「兄上のお手並み拝見といこうか」

 憂いは無い。

 外交的にも城州王に気づかれない程度に配した兵だ。

 あとは...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ