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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1936/2527

- C 809話 鬼将 河州王の野望 9 -

 元帥府はかつて、泉州府があったとこに今も併設されたまま。

 分離して、ちゃんと屋敷も何もかも、用意すればよかった。

 掌握した側、つまりは“白服”側が怠慢だったという意味。


 軍隊の平時における仕事は、基本、有事に向けての整備でしかない。

 兵隊の訓練は当たり前だし。

 訓練内容を大中小の具合に企画・運用・展開する。

 射撃訓練から、戦争ごっこの演習まで。

 年間行事で、予算の掛け具合――ここは役所も同じで、あまり使わないと...次の年度にはカットされた予算で回せと言われる。故に、百パーセント奇麗に使って見せるのが、出来る将校の腕という事になる。

 民間だと...。

 如何に予算枠よりも小さく収めたかが問われるようだが。

 軍隊は使い切ってこそ、だ。


 反れた...(反省。


 元帥府にある将校たちも、出来ない人たちではない。

 むしろ、デスクワークの()()()()()()泉州王に代わって、切り盛りしてた具合だから、都度、暴走気味の艦隊司令部とは反りが合わないだけである。

 さて、白服を通じて、顔の見えないヴォーティガンという者の下についた将校たち。

 抵抗らしい抵抗は無かった記憶だ。

 それはもう、淡白なほどに“座”を明け渡したような。

「で、このザマか?!!!」

 王都に残ってた“白服”幹部の憤り。

 指揮所の中で吠え散らかしてた。

 この指揮官の短所はまあ、癇癪持ちといったところか。


 伝令として走り回ってる連中の各所から噴出した、出来事に憤慨してる。

 彼からすれば『なぜ怠った、なぜ事前に把握していなかった』といった過去情報に対する不満。

 状況報告には自らが関わろうとしない、でだ。



 憤慨してる将校の前に、総司令官として那岐少将が通された。

「総司令官さまの着任です!!」

 指揮所にピリッとした空気が張り詰める。

 激高の中の空気も、生きた心地はしないものだけど。

 緊張が走る空気も、別の意味で肌がひりつくような。

 灼けた戦場に立っているような、来さえする。


 喉が、痛い。


「楽にしていい」

 声が掛かるまで、意識が飛んでた将校が多かった。

 胸を押さえて――。

 上目遣い。

「な、那岐公?!」


「ああ、俺だ。王城の包囲はどうなっている?!」

 少将が引き連れた兵士も、本陣に入ってた。

 精悍な顔つきだし、目が違う。

 こう、正義の炎を灯した、正直者たちの顔である。

 指揮所に入れなかった“白服”や、或いは元帥府の札付きの不良兵士ワルから見ても、面白さの欠片もない学徒兵だって分かる。

 志の高いやつらの顔といったら...


 よくある兵士たちの妬みだ。

 学徒の前で唾を吐く。

 微動にもしない一行。


 場を乱して、慄いてくれた方が揶揄いがあるという。

《ああ、糞が! 面白くねえなあ》

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