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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1934/2528

- C 807話 鬼将 河州王の野望 7 -

「閣下、襲撃者の獲物です」

 一発だけの銃声だったけど。

 狙える位置が少ないこともあって、射座はすぐに判明した。

 で、残された銃も――「1発だけの手製と言うわけか」

 学園内のリソースで作られたものだってことはバレた。

 ただし、そこから足が付くことは無い。


 だって工業科の実技場は、ほぼ真夜中でも閉ざされることがないから。

「工業科のリソースを使ったのであれば、絞り込みは可能ですが。犯人の特定を急がれますか? それとも...その背景を?」

 学園都市の警備局長。

 額に角の痕跡が残る鬼人族の者だと分かるし、如何にもいかつい顔だって感じの。

 いあ、暗殺未遂で済まされない失態だと、責任を感じてる表情のようだ。

「気にするなとは言わぬ。進退は自分で決めろ――だが、リソースは盗まれたのだと応えるものが多いと推測できる以上、どんな手を尽くしても決め手には成らんだろ。であれば実行犯の裏に誰があるのか、何処の組織かなんてのも推測するだけ無駄だ」

 今回は、城州王に怪我はない。

 ま、一張羅ではないが。

 学園のトップのひとりが柘榴となって消えた。

 その肉片や骨なんかが、高そうな服に飛び散ってた。

「射座からここまで」


「200、或いは300と言ったところでしょうか」

 オープンサイトで狙いを定め。

 手製であるから装薬は少な目かもしれない。

「いい腕じゃないか」

 感心しているモノでもないけど。

「そのようです」


「射座の形状は?」

 稜線に沿って這ってたか。

 片膝撃ちかなどの情報収集だ。

 ゲソ痕とか、尻の大きさ、痕跡から射手を推測する。

 背景なんて今更だし。

 王族の暗殺なんて、珍しい事もない。


 外戚が力を得るには。

 兎に角、悪目立ちしている敵対勢力の排除を行うのが常套であったんだけども。

 女性の立場が大きな東洋においての親王たちは、命も身分も軽すぎた。

「小柄でした...ざっと150センチメートル前後になろうかと」

 ほうって声が漏れてた。



 逃げる途中で、何度か追手に追いつかれている。

 が、彼ら4人は実に見事なオブジェクトに姿を変えて、やり過ごしてきた。

 例えば...


 黒蜘蛛の履いてたスカートに頭から突っ込んだ不知火を起点に。

 雲雀が奇天烈な観葉植物のような枝葉を、背中で演じ。

 啄木鳥も不知火に腕を引かれて、組体操へ。

 こんなんでよくバレないと思うけど。

 相手も必死に道に沿って探してるんで――オブジェクトの奇妙さは目に飛び込んでこなかったようだ。

 3度めの遭遇に際して、

「今、目端に奇妙なものが!!?」

 振り向いた壁にはちらっと見えた人影が無かった。

「気のせいにこっちまで惑わすなよ!!!!」

 同僚たちが明後日の方へ走り出してた。

「ちょ~まてよぉ~」

 斜めに走る男たち。




 深い溜息が壁から漏れた。

「流石に今のはヤバかった」

 不知火は、ポスターを股間に張ったまま元の人の姿に戻ったとこ。

 彼らは咄嗟に壁と一つに同化してたようなのだ。

 なんて器用な。

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