- C 502話 カラクム塹壕戦 6 -
ボクらは、広州に到着してた。
装甲車で乗り付けるわけにもいかず、またもや郊外に駐車してたんだけど。
そこへ、懐かしい人と出会う。
そう。
こっちがわに置き去りにした。
アリス・カフェインさんだ。
「あれ?こんなとこで、どったの???」
や、お久しぶり。
って挨拶からじゃないんだね。
「こっちにウナさんが来てるって聞いたもんだから、定時報告で立ち寄っただけですからねえ。お久しぶりもなにもないと思うんですわ......リアルサイドで会おうと思えば、下階も上階もありませんし」
あ、そうそう。
そうでした。
この人も同じ会社の社員だった、わけで。
宇名部長に声を掛け...
「え?」
「リモートアクセスも、ね」
“エイ型”飛行ゴーレム内でも姿が見えないときは、その大半、外の世界にて仕事してた。
書類の整理や、ハンコ押しとか、まあ、いろいろ。
彼女にしか出来ないことが山積みになると、決まって呼び戻される。
いつまで遊んでるんですかーってな具合に。
だ、もんで。
定期的に帰る必要に迫れられたという事情。
うっわ、マジかあ。
「社畜のつらいとこ」
ウナちゃんは、社畜じゃないじゃんよ。
◆
潰走する兵士ってのはどこの国も似たようなものらしい。
持ってた武器を放り投げて、がむしゃらに走る。
塹壕と塹壕の間なんて気にしない。
ナーロッパ連合軍の地上軍は元気だった。
制空権は取り損ねたけど。
空軍力が重要視され始めた航空革命の黎明期では、東洋とナーロッパの間ではまだ。
いや、海軍と陸軍の間で共有化できていないと、言い換えた方が分かり易いか。
魔界のウイッチのように、ハンドベル爆弾を地上の対象に投げつけるような戦術に至ってなかったし。
後方にある野戦砲の着弾観測から抜け切れてもいなかった。
塹壕から這い出てきた隠者の目に“未来”が見えた。
こちらの世界では、観測する目“千里眼”を手に入れた模様――「あ、その先は」――届くはずもないんだけど、叫ばずにはいられなかった。
で、阿武隈が伏せておいた戦車隊による反抗が始まる。
いや、ここからが本当の攻防戦なのだから...




