- C 484話 陽炎の帝国 3 -
海底にあるのは“超大陸”の痕跡。
古代の技術を用いてドーム状の都市国家が築かれてある。
これが、南洋王国の都だ。
帝都とされる“宮”は、人工島“倭島”よりさらに東。
ミッドウェー島付近の海域にあった。
とはいっても、ミッドウェー島だって今では海に没した状態なので。
痕跡は旧海図にしか存在しない。
幻の島扱いだ。
いや。
ここまで何もない海に繰り出す船乗りもいないし。
ここら辺の魚が良質だからとしても、漁師たちは船を出すことは無い。
だって...迷子になるから。
ああ。
科学的に言おう!
コンパスがくるくる回って、自分の位置が掴みにくくなるからだ。
じゃ、原始的な方法を使おうってなる。
そう、星を見る。
六分儀などで太陽の高さで、位置を探る方法もある。
けども、だ。
地上にある“迷いの森”は知らないだろうか。
ひとたび足を踏み込むと、決して逃れることが出来ない森のことを指す。
原因は土地に棲みつく妖精たちや、魔女のせいだとする声もあるけど。
魔法の痕跡が検出されてる。
あれは、神殿という何者かによる結界だってはなし。
ミッドウェー島付近の海も。
まあ、広範囲なんだけど。
そこも結界によって“迷いの森”化してた。
東洋王国にだけ存在するという超高高空の“竜の巣”からの目で、安全な航海が出来るのだという。
ん?
ああ、人工衛星だねえ...それ。
◆
ボクたちの軍艦は、今...えっと、ここどこだ。
モモ提督に枕のような担がれ方をされて運ばれてる。
「南極海を北上してタスマン海を目指していると、艦内放送があったようだけど」
だから眠たくてそれどころじゃなく、聞きかじった或いは目で見えても、単純なものしか考えられない状態で――...っ、ボク徹夜明けで」
何をしていたのか。
端的に言うと、多目的ゴーレム装甲車の製造だ。
8輪式にして前後に4輪づつ分けてみた。
仮に不慮の事故で、1ないし2対が欠落しても車体にある荷重が分散するようにした...
というもんで。
いや、エサちゃんが回転する銃座で遊べるように...だが。
いあ、マジで眠い。
「ほうほう。...そいつは全天候型か?」
「あ、うん。折り畳んだ脚もあって、踏破不能地帯も難なく移動できるように...」
ボクは寝た。
爆睡というか、いやあ爆睡だ。
だって記憶ないもん。
格納庫にある隠し部屋の個人工房からブリッジへ。
体よく迷子になってて。
◇
むにゃ....
「やわけぇ」
ボクの左手がモチモチとした、低反発なモノを揉んでた。
甘い声が漏れ聞こえる。
「おはよう、マルちゃん」
ピンクのスライムまみれのハナ姉がいた。
おお、ナニコレ???
「ヨネがね、掛布団代わりに」
おいおい妹キャラを酷使し過ぎだろ、姉上どのぉー
いや、まてまて...
ヨネの方から
「この、まさか大量のネバネバが...ヨネちゃ、ん?!」
「んにゃ、冷感掛布団になってくれないかなあって提案したんだけど、あっさり断られちゃって...実験用に培養されてた刺激的なスライムを被ったってわけよ」
はは~ん
よくもそんな危ないことができたもんだ。
刺激的ってことは、だ。
スタン系のスキル持ちとか...
アシッド系、ポイズン系のとか、あとは...
「ま、気持ちよかったけど。いいもん見れたから些細なことは、全部、忘れてもいいわ」
いいもん?
何の話だと思ってら、だ。
ハナ姉がマッパなのだとすれば...
当然、ボクも同じベッドで寝たんだから、ま。
あああああ~




