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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1608/2524

- C 483話 陽炎の帝国 2 -

 青島城塞は、軍港だった。

 が、東洋王国が要する海軍力、前ド級戦艦6、巡洋戦艦4を筆頭とした重巡、軽巡の対地打撃群と、沖合に展開してた、ウイッチキャリア6隻を主力とする航空打撃群からの一方的な爆撃には、さすがの城塞でもひとたまりもなかった。

 シーズン4から実装されたウイッチキャリアは、当初、水上器母艦という非常に貧弱な軍艦だった。

 ビルドシップでは未実装だった為プレイヤーからは、ウザイNPCオブジェクトとして認知されてたが、シーズン6で初めて課金船体にのみ解放されると...その様相は一変した。


 特定の配信者からは『プレイヤー艦としての実装』を叫ぶ声が大きかった。


 ゲーム上の航空兵力は“魔法少女”である。

 まあ、見た目としてのグラフィック完成度も...

 平甲板から箒片手に全力疾走する少女たちの...ひらひらを眺め視ることが出来る艦長の、そう! 役得感が背徳さもマシマシで、愉しまれたのだ。操艦も忘れて平甲板にて横になって、彼女たちの怯えた顔を楽しむという、変態も、ごくまれなるたしなみの一つ。


 これを、()()()という。



 さて、シーズン7から実装されたのは航空母艦だった。

 小型飛行ゴーレムを20機あまり搭載できる、水上器母艦ウイッチキャリアよりかは大型になる軍艦だったけど。

 航空爆撃というが過らなかったプレイヤーはいない。

 硝煙と鉄の咆哮を楽しむ、お舟ゲーに対する挑戦のような存在。

 運営のかじ取りに、やや懐疑的になった瞬間でもあった。


 ウイッチキャリアで枷が外れたので、今更感はある。

 

 東洋王国に参加した、プレイヤーの頭上を飛ぶ飛行ゴーレム。

 なんかちょっと複雑。

 青島要塞に張り付く揚陸艦の数、数、数...

 ぱっと見、D-Dayそのものにも見えた。

「これが、海戦ゲームか?! まるでストラテジーじゃねえか」

 ってのは、ディスコード中にながれたプレイヤーたちの生声だった。




 海岸線から上がってくる黒山の兵士たち。 

 ああ、この世の終わりにも見える。

 んー、これどうなの?



 台州の都より、南シナ海をまたいで約2千キロメートル。

 その海域には“台湾島”にも匹敵する()()()がある。

 人工島以外の上陸可能な島は、残念ながら見当たらないのが現実だった。


 まあ、こうなったのは数千年もまえのことだし。

 やや寂しい感じはしないわけでもない。


 沈没しちゃってんだし。

 この()()()は、こうなんだと思えば少しは...



 さて、この人工島が――東洋王国とは、言えない。

 これはねえ。

 水上艦艇の為の軍港であるという認識。

 王国本国は、海中に没してる方。

 南洋とはまた違った形の人魚族の国家であるということ。

「“倭島やまと”からの侵攻は順調なようです、陛下」

 暗転している部屋の中に、光を足元から浴びている女性がある。

 彼女こそ、東洋王国の女王“モルガーナ”といい...南洋のモル女王と双子とされてる。

 血統の維持のために、モル女王がモルガーナ帝の血肉で作り出されたというのが、魔法の残る世界の定説のように語られてるんだけど。性格も、気性という面でもボク個人の見解としては、他人の空似のような気がする。

 女王は、頷くだけ。

 だって、この光の柱は長距離通信の名残だもの。

 遠見の鏡で虚像を映し出すのと同じで...


 海底うみそこにある王国から、彼女の姿のみを投影しているだけ。

 御言葉は壁に備え付けた“電話”から指示される。

「よきに計らえ」

 って一言だったらしい。

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