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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1610/2523

- C 485話 陽炎の帝国 4 -

 平甲板に整列する少女たちがある。

 そうだなあ、歳の頃は10歳から12歳くらい?

 “魔法少女”だと言って憚れない年ごろだと思ってくれてもいい。

 ただし、カラフルなステッキは持っていない。


 箒は東洋王国から支給の()()だ。

 箒の房が細くなったら、変え時なので“申請書”を出して認可されれば、魔力測定時に新品が支給される。んだけど、房が細くなる前に欠員になるか、引退するかで。

 最後までひとり1本というペースであるという。

 ただし、壊した子はわりと多い。

「箒、壊すってどういう扱いだよ?」

 12歳には見えない巨乳ちゃんが、補給庫の前で立たされてた。

 艦内の通路は狭い。

 すれ違う時には、片方が壁にへばりつく様にして譲らないといけないんだけど...

 その肉塊は異常だった。


 突き出された“若者の主張”は主語が大きかった。

 そんな雰囲気。

「おーい!!」

 通路側からの声。

 補給庫にある士官が戸口から顔を出す。

「なに?」


「なに? じゃ、ねえよ!! アホか盆暗、このガキが通路を占有してて“()()()()”で通れねえんだ。補給庫内に入れちまって通路を開けてくんねえかなあ?」

 言い方ってのがある。

 これ、艦長が聞いたら泣いちゃうよ。

 ま、その艦長は平甲板にて横になって、少女たちの走る姿を愛でているんだけど。



 平甲板にあった少女たちは無事、全員が空へと駆け上がっていった。

「ちょっと寂しみ」

 艦長が零す台詞じゃない。

 甲板にて、整備員たちの目は何を言うでもなく“鬱陶しいなあ”って感じで見つめてた。

「艦長、そろそろブリッジに?」

 当直士官が声を掛ける。

「なあ、君」


「はい!!」

 身構えながらも、じっと横になってる男を見下ろしてた。

「今、上がった子たちを呼び戻すことは出来るかなあ?」

 ちょっと意図が見えない。

「っ、つまり...ぼくはね、降りてくるあの子たちの転びそうになる、あのそわそわする感覚を今!! 体感したいんだよ。いや、その他にも...こうふわっと裾が捲れて、やったぞラッキースケベをゲットーとか、心を躍らせたいってのも欲を言えばあるんだけどさ」

 狂ってると、皆が思った。

 当直士官だって同じ思いだけど、相槌の打ちようがない。

「いやあ、それは難しいと思います」


「なんで?」


「いえ、これは作戦行動でありますから!!!」

 前金で少女たちの装備を充実させた。

 さらに勲功を稼げば、東洋王国からは少女たちに“魔術兵装ウイッチドレス”なるボーナスをちらつかせられた。

 ああ、ドレスというよりも...

 スク水だわ。

 ぽんぽん冷えるから、ピンクの腹巻が付いてくる、とか。


 あれね、公式でもアナウンスされて一部の狂信者が、ね。

 全裸で土下座した配信動画が流れたもんで。

 ちょっと話題になってた。

 結局、お騒がせな女うp主なる者は、全身肌色タイツだったって話だけど。

 どうも...

 TKBは丸見えだったっぽい。

 ま、そんな話は良いか。




「えー、一回、一回だけでいいから!!」

 食い下がる艦長と、当直士官は首を縦に振らない。

 ここで戻ってこさせたら、再び飛び立つまでに約5分ものCTに入ってしまう。

 1戦30分の第四次青島城塞対空戦ボーナスバルーン・マッチに、後れを取るという事になる。

「無理です!!」


「融通の利かないヤツばかりだ」

 上体を起こし、胡坐をかく。

 艦長としてひな鳥を見送ったんだから、あとは無事に帰ってくることを...

 願えばいいのにって思うんだけど。

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