- C 470話 いざ、外洋へ 4 -
“ツキノワペンギン”型飛行ゴーレムは4機...いや、4艇と言い換えよう。
これがウイッチキャリアとなる。
全長は180メートル前後。
ウイッチたちの収容力は、約100人当たり。
上陸部隊も運べるし、使い勝手はかなり高い方だと思う。
「これを...私に?!」
そう。
ウナちゃんは、4艇のうちのひとつをノワールさんに宛がった。
艇長候補は幾人かある。
日頃の腕前から、指揮官が任命される流れなんだけど。
ノワールさんには便宜が図られた。
「だね!」
「パーソナルカラーは、断然、マリンブルーのダズル迷彩!!」
いや、それは...
塗っちゃうの?!
軍艦の色変えちゃうの???
◇
結果的に塗り替えた。
波濤の影響下で、被発見力の精度を落とすのが目的だけど。
飛行するゴーレムには意味が無いようにも思う。
だた、ノワールさんの強い要望だから。
できうる限りは“彼女の気が済むように”ってウナちゃんからのお達しがあった。
これが便宜だ。
さて。
「ウイッチキャリアって事は、空母だってことだよね?」
偵察器、観測器に近年新設された攻撃器と、爆撃器などは専門化するよりも、装備品によるマルチロールが推奨されている。ボクたちの世界のように、汎用性の高い航空機に対して、誰もが一定の条件下で訓練を行えば、乗り手になれるようなものでない限り。
限られた魔法使いの素質の持ち腐れにならないよう、オールラウンドに利用できないかを模索した結果だ。
とはいえ、急降下爆撃などのようなものは一定の熟練度が要求された。
「うん、定員は100人前後で、予備人員も10~20人の1個飛行中隊が収容される。現在の魔法使いたちは約3000人が当艦に収容されていると、ウサギ先輩に聞いてた...から」
「先輩?」
ノワールさんから怪訝な声。
うん、な、なに?
「贅沢に消費していいという話じゃないけど。攻撃器とは言っても、多目的武装コンテナ・フロートを装備した“魔法少女”や“魔法少年”たちだから、ウイッチの一人の損失は軍艦の戦闘力が数パーセント喪失したと考えなくちゃならない。ポーションで全快できるとは言ってもね...即死したらOUTだし」
“ツキノワ”自身も、汎用母艦として建造された。
いや、オリジナルさんの要望を聞いてたら、そうなった。
形状は三角錐みたいな雰囲気があり、飛行中は高度次第で背部の飛行甲板にて、ウイッチたちのタッチ&ゴー訓練などが執り行われる。飛行場のエアクラフトプールでは、猫背でとぼとぼ歩くペンギンであるという醜態をさらす。
水深30メートルまでの潜水機能もあるけど。
使う機会は...たぶん、ない。
「自衛には、何かある?」
ノワールさんのクルーには、砲術科とか水雷科の出身者がある。
むしろ、オートジャイロの方の航空科は少なくて――
「ああ。...っ、そっか...うーん、一応条件がある。核となるマナ鉱石は、空気中のマナを取り込みながら、半永久的に飛行魔術へ魔力を供給し続けるってのは分かるよね? その有効と考えられる高度が3000メートル前後(=気持ちもっと低い可能性)、持続可能な状況下であれば、側面の隔壁を開放して120ミリ榴弾砲、40ミリ、60ミリチェーンガン、空対空多連装ロケットなどが使えるランプが、艇長を含めブリッジに灯る筈...」
120ミリと60ミリチェーンガンなんかは、左右の隔壁にあって。
砲撃する向きを自由に変更できる。
ただし、同時に運用はできないってのは...仕様なんだわ。
「うん」




