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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1484/2523

- C 359話 天領始末記 3 -

 ハナ姉の駆る粘土巨兵には、

 パーソナルコードってのがあって...

 個人別の特異な武装パックが用意されてた。


 例えば、

 NPCのラルさんの場合は“格闘戦”主体。

 NPCの西さんには“中長距離射撃戦”主体。

 ハナ姉には“近接格闘戦”が施されてた。

 右腕の手甲にアダマンタイト製ブレードが仕込まれてて、鋼鉄をもバターのように切り落とすことが可能だったり、左腕にマウントできるシールドに口径40ミリ連装のガトリング砲が、オプションで用意されてたり。

 あとは、頭部の右こめかみ附近。

 ここに12.7ミリの機銃もあるんだけど...

 姉に対して盛り過ぎか。


 ま、こんな感じでもっさもっさ、武装を施してたから――魔狼の戦士を鷲掴みにすると、掴んだ肩をぐちゃぐちゃに握り潰して、切り刻んでしまってた。ま、確かに傍目から見ても、遣り過ぎな感じはしたけど、彼らも死に物狂いで襲ってくるし。

 天領のパワードスーツ隊だって尋常じゃない戦死者をだした。

 助力するとは言ったけどさ。

 全部、こっちに丸投げってのも変な話だったし。

 戦後処理だって、今も、巨乳姫とウサギちゃんら首脳陣は、城塞の執務室から戻ってきてない。

 ハナ姉らが先行して、だ。


 うっかり置き忘れてた、

 キルダさんらを回収しに来たのである。



 粘土巨兵が落下傘降下出来る事は、いつかの時間軸で立証済みで。

 ボクの記憶の中にうっすらと見えてはいた。

 それが出来る装備もあったはず、だけど...

「天領軍に対する敵対勢力と判断!! 速やかに殲滅する。わたし麾下のパワードスーツ隊は、本機を中心に左右で展開しこれの掃討を開始せよ!!!」

 ってヘッドセット越しに、いつの間にか天領の空挺部隊を指揮してた。

 いや、彼らとは助け、助けられの中で仲間意識が高まったようで...

 ボクの中のハナ姉ならば、だ。

 常にどこかで軍の指揮をしている、そんな才能があった。

「ラジャー!!」

 空から米粒みたいなのが降りてくる。

 パワードスーツ隊は“芽吹きタマネギ”ちゃんズなんて愛称のある、人型の全高4~5メートルくらいの大きさだから。

 ハナ姉のと比較すると、同じ高さで降下しても小さく見えた。

 上空には飛竜ゴーレム1機に、怪鳥ゴーレムが2機で飛来してた。



 降下した“芽吹きタマネギ”がひとつ近寄ってくる。

 これから撤退戦を演じるタイミングのキルダ側陣地にだ――

「お怪我はありませんか? キルダ閣下!!!」

 怪我も何も、

 いやいや、木偶人形としか戦ってないから数千人の兵は無傷である。

「えっと、その...敵いあ、ヤウ公爵軍は?」

 タマネギに搭載された望遠を用いて、

「ハナ隊長による爆撃が功を奏し、敵軍首魁の陣地が燃えていますね!!」

 彼らは事情を知らない。

 ま、百歩譲って...

 いや、どこまで譲れば、彼らは赦してくれるのだろうか。


 本陣が燃え落ちたとなれば、死傷者の数は悠長に数えて居られるとは思えないし。

 いやいや、彼らには未だのこりの豪族との戦いが残ってた。

「...くぅ、計画が台無しだ」


「???」

 そりゃ、そうだろう。

 彼らはその計画自体を知らない。

 USBランチャーをドカドカ打ち込んでるし、

「ちょ、ちょっと仕切り直せない?」

 引き攣るキルダに、宥める賢者。

 それ以前に公爵軍が戦列を本陣にまで下げて――ひとたび休戦となる。

 にらみ合いに戻った、感じだ。



 実行支配下にある港町に“ゴーレム”を置いたハナ姉ら一行は、

 キルダさんから一発、殴られてた。

「えっと、コレは何の懲罰だ?」

 ハナ姉からすると、

 コトの次第では殴り返すが、その覚悟はあるんだろうなあ的な、返しがあったという。

「ヤウ公爵軍とは密談があり、彼らに“わざと”負ける代わりに国外退去への算段を付けてもらう予定だった...が、たった先刻でその話は反故になった。ああ、いい...君らは知らなかった! それは理解できる。だが、しかしだ!!!!!」

 ここの語気が極めて強く、強調されてた。

「しかしだ!!!! 攻撃を仕掛ける前にぃ! いやさ、降下する前に状況の把握と確認くらいするのが、っ軍人hじゃないのか、キサマら!!!!!!!!!!」

 ぎゅっと握った拳で殴り掛からんとする、キルダを張り手で返すハナ姉。


「アホか!」

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