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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1463/2524

- C 338話 侵略者たち 13 -

「くまなく探せよ、どこかに潜んでいるかもしれない!!!」

 って声は、森の奥にまでよーく届いてた。

 追われている側にすれば、恐怖と常に、だから――まるで耳元で囁かれたように、腹の底、

 臓腑でもかき回され、心臓でも鷲掴みされたように捉えてただろう。

 怪我さえしてなければっていう兵士も、ある。


 時々、木々の間から光が差す。

 サーチライトのだ。

 魔法飛行士らの捜索も継続中。

 黒い巨大な鳥が飛んでいる。

「ちくしょー、聖櫃あいつらに騙されたんじゃねえか?!」

 聖櫃騎士団は、求められた言葉に応じて、わりと正確すなおに応えている。

 例えば四領の軍事施設と、装備などをだ。

 が、聞かれもしなかったことには、答えていない――だって、放す義理は彼らには、ない。

 いい性格してるよ、あいつら。


 お人好しなふりをした、悪人。

 ボクはそう、聖櫃かれらを括る事にした。



 四領の現状況は、ほぼどこも似たものだ。

 各地へ散った残りの4000人たちも、苦戦を強いられてた。

 三領の国境へと逃れた連中もある。

 千人将らは、豹人族の森に入ってた。


 そこは、“ニャーナ”荘という猫の神様を祀ってる、旧き獣人の土地らしい。

 三領内でも行商が立ち寄るのは、広大な荘園の入り口にある“エグイ”って名の玄関街である。

 “エグイ”は、統一王朝こちらの言語で聞き取れた言葉もので、実のところなんて呼んでるのかは...さっぱり分からない。

 もっと違う名の街名なのかもしれないけど...

 今更、正す気にもなれないので、そのまま使われてた。

「ここまで来れば...」

 千人将は、空爆から逃れた兵と市民らの点呼を取る。

 只ならぬ雰囲気のある森だけども、四領からの攻撃は止んでた。

「閣下、生存確認は700人を割りました」

 重傷者も一応は、その中に入っている。

 ただし、その者たちが音もなく姿を消している事実は知らない。

 副官の目の前から、千人将の姿が消えた。


 報告し終え、

 少なくとも2、3の言葉を交わしてたところでの失踪。

「戦士たち! 臨戦態勢!!!!」

 副官の声に武器を取る兵士たちがある。

 3人、5人と背中合わせに組となるも、神隠しは続く――「無駄なあがきだ!」

 緑の深い森から聞こえてきた。

「何者だ!!!?」

 失笑が聞こえてくる。

 木々のこすれ合うものかもしれないけど。

 やっぱり声だ。


『知らずして足を向けるとは、...増して不運な者たちよ!! 旧き神々はその血を捧げよと、仰せにある。故に我らは汝らを狩る者である!!!!! 卑しきオオカミども』

 

 大地が赤く染まる。

 森が紅く染まる。

 上空にある“カイザー・ヴィルト”から眼下の森を眺める騎士があった。

 聖櫃の導師として王城にあったものだ。

「玩具がひとつ、壊れちゃいましたねえ...ま、こっちも魔法飛行士の可能性を見せつける事が出来たんで...良しといたしましょう」

 親指の爪を甘噛みしながら、

 気怠そうに微笑んでた。



 シーラビット族の“ウサギ”ちゃんと、

 シーモンキー族の“巨乳姫”の相性は最悪じゃない、最強のタッグ。

 そこへ放り込まれる、

 シーキャット族のノワールさんが、肩を竦めながら...

「えっと、なんで私が呼ばれちゃったの...かな?」

 片や代将、片や艦隊提督。

 ふたりとも高級将校で在る。

 そこへ乗りての少ない巡洋艦を割り与えられた、ノワールさんです――副長じゃないけど胃がキリキリするような幻痛を感じていた。もう、幻覚でもないかもしれない痛みがある。

「おう! 来たか、親友!!!」

 巨乳姫に当てつけるよう、ウサギちゃんはノワールさんを重用した。

 実際に、そういう駆け引きが水面下で行われてる。

《ほう、ウサギちゃん...ついに同族まないたを手に入れたか》

 眉間に皴が寄り、あからさまに嫌悪丸出しのノワールさんを迎え入れ、

 ウサギちゃんは得意げに。

「見よ、仲良しなのだ!!」

 何が?

 何で?

「小さい!」

 代将がNGワードに首を振る。

 その形相、鬼のごとし...

「この艦隊は、物見遊山なの?」

 ノワールさんの曇った表情が晴れていく――

 ボクもその場に居たならば、

 たぶん、同じように接してたかもしれない。


 あ、違うな...

 ハナ姉がボクを迎えて、吸ってるんだ。

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