ちょっと休憩を
ボクは靴下を履こうと、そう、履きたいのに履けない時がある。
なんて言うかさ、左足から始めたんだけと――座った拍子に背中からコロンって転がると、起き上がる間もなく再び、左向きにコロン、コロン、コロン......。
何の冗談かって思うじゃん。
でも冗談抜きで、コロン、コロン、コロン......って転がってひと回転sぢて元の位置に戻ってきた。
それをさ戸口の高い位置から、ハナ姉が見てた訳。
「お姉ちゃんが手伝ってやろう!」
とか言ってくれるのを内心期待するじゃない?
いやいや。
ないんだよね、そういう時って。
っ面白いなあって。
糞!
パンツ見せ損じゃん、そんなの。
で、しかもまだつま先までちゃんと通って無いんだから、癪に障るというか。
「なあ、マル」
「ん?」
お、やっと手伝ってくれるの?
「スジが綺麗に見える」
「アホかー! いや、お前の頭はくるくるパーかーっっっ!!!!!」
って姉に怒鳴っても...
ハナ姉が眉間に皴寄せてる。
「まったく...マルの愛情表現も、豊かだな」
違うよ、ぜんぜん違うよ。
愛情とかそんなものじゃないよ。
ボクは、ボクの窮状を鑑みて、手伝ってくれる優しい姉が欲しいんだよ。
靴下もロクに履けない可哀そうな妹のパンツを見ながら『お前のスジ、縦にくっきり割れてて綺麗だな!』って感心する姉は、ノーサンキューだって話だよ。
いやいや、そもそもだよ。
ボクのスジで興奮する姉もちょっとなあ。
裸足で靴履いたらさ、エサちゃんみたいに足が臭くなるんだよね。
それを嗅ぐとか、そういうの無いから。
「よし!」
おお、なんか柏手打って、ハナ姉の表情が明るくなった。
「姉妹のスキンシップを始めるか!」
「ちっがぁぁぁぁ~う!!!」
って休日の半分がこうして終わった。
ボクは靴下も履けずにベッドで失神させられ、シーツに特大の世界図を描かされた。
満足そうにティータイムを取る姉とはもう、対照的だった。
《マルのやつ溜まり過ぎだぞ...》
ってほくそ笑むハナ姉の口の中から縮れ毛が出てきて、再び微笑んでた。
あー、もう。




