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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1214/2523

- C 160話 機動艦隊とクァンガイ航空隊 6 -

 これはまあ、史上類を見ないという意味で――歴史の闇に葬られた珍事件である。


 海南島上空に差し掛かった頃。

 喜劇のような悲劇がアホのような“一言”から起きたことである。

 60人の魔法少女たちの前に立ち塞がった、連邦共和国所属の80人の魔法士たち。

 ライフルを構えて、待ち構えていたというシチュエーションであったという。


 さて、ここで本来ならば。

 軽い小競り合いが起きても不思議ではない。

「あなた達は何処の所属の方々ですか!!」

 なんて毅然と告げた少女が編隊長であり、59人の少女たちを率いる“お姉さん”だった。

 ま、ここは少年たちを率いてきたクァンガイの教官と大差がない。

「おっぱい、触ってもいいかな?」

 って返したのが教官であるから、その場にあった79+60名は己の耳を疑った。

 聞き間違いだと思い、

「えっと?」


「一目惚れです! 君のその、()()()を揉ませてください!!!」

 聞き間違いじゃなかった。

 東洋艦隊に所属する魔法少女たちの平均年齢と言えば、15歳前後の勿論、純潔を頑なに守る乙女たちである。スク水と呼ばれた、対弾魔法装甲の胸元には、女神正教会の()()()()が刻まれている。

 彼女たちは、軍人であると同時に教会の修道女という立場もある。

 聖女にその身を捧げて一生を過ごす。


 ここに男性の介入はない。

 そもそも東洋王国でも魔法少女と契りを結べるのは、王家のみであるとされる。

「ふ、不潔! 不潔です!!!!」

 当然、こういう反応になる。

 少女たちの魔法小銃マジックステッキが火を噴くも、空中という不安定な場で命中、有効弾を狙って与えるのはかなり難しい。

 クァンガイ航空隊でも、全体の1いや一握りしかいない。

 だから、横列からの一斉射撃が効果的なのだ。

 戦列艦のソレに似ている。


 練度が上がれば、ネルソンタッチもまあ可能なのかもしれない。


 理性が飛んだのか、或いは教官がそもそも女好きだったのかは今となっては無意味なことだ。

 両手で抱えてたライフルを背負い込むと、

「大丈夫、痛くしないから、大丈夫...お、俺にその身をすべて預けてください」

 教官へんたいが両手の指を激しく動かしながら、迫っていく。

 お姉さま逃げて!っていう少女たちの声も悲鳴へと変わってた。

 そう、変態が伝染したのである。

 グラスノザルツでも、魔法少女飛行隊はある。

 陸軍と海軍の両軍立という人材と、資金等の供出で設立された教育機関。

 魔法科の高等教育機関として6年制を課し、卒業時には士官以上として迎えられる“大学”並みがある――魔法師団ヴァーサ高等学院。

 魔法の初期過程から学びなおすことも出来れば、より高みの探求まで挑むことが出来る。

 しかも、魔法士航空兵団の空戦技術はここで産まれている。


 もっとも目を惹くのは共学であるという事だろう。

 学生寮こそは男女で別だが、教室使用も機会さえも男女差がないという画期さがある。

 飛び地領では未だ、そこまでの普及に至っていない。

 だから、クァンガイの少年たちは羨望の眼差しで、少女たちを舐めまわし追い掛け回したのだ。


 少女の苦し紛れな発砲も空しく、少年たちに戦利品扱いされる少女たちは少なくなく。

 中には「お母さま、ごめんなさい」と、箒を蹴って海へ身投げする子もあったという。

 後日、これが問題にならない訳がない。

 海南島守備隊の下へ逃げ延びた少女たちの訴えはあったが「これは有事ゆえに」と一度は棄却された。

 しかし、グラスノザルツ本国の師団長は「如何に戦時下であろうとも、かつての野蛮な中世のような黒歴史とは違う。(少女たちは)戦争捕虜として正しく扱われてこそ、我が国の兵も胸を張って(捕虜交換により)帰国できるものである! こちらが人権を無視すれば、敵対関係国も同じ扱いをするだろう、たとえ戦争でもそこには覆用のないルールが無くては...ただの暴力でしかない!」と説いてきた。

 クァンガイでは魔法少女たちは一種の戦利品であった。

 が、本国の意向を受けると、教官をはじめとする少年たちから少女が救出され、逆に叛意が生まれるという妙な雰囲気で終了した。



「師団長も余計なことを...なあ」

 顎の無精ひげに角刈りの教官は仰向けで天井を眺めてた。

 彼の脳裏にはしっかりと“たわわ”が浮かんでた。

「未練がましいのも」

 というのは後輩だ。

 班の中で一番、小柄で華奢な少年。

 イベント発生の為に一時的に宿舎へ戻ってきた。

 そのまま、彼を教官室に連れ込んで尻を振らせてたわけだが。

「これからじっくりと俺の好みに仕込んでいこうと」

 やや呆れたような乾いた笑いが部屋の奥からする。

 同居のひとり。

 別の班の教官をしてた――サラッとした金髪で短く切り揃え、切れ長の目にアイスブルーの瞳がみえる。

「そんなに恋しければ街の娼館にでも行ってこい」

 って会話になる。

「いやいや、商売女は好みじゃねえんだわ」


「この鬼畜が...ま、俺も()()()理解わかる。初心な仕草にあの柔肌は...味わったら抜け出せそうにはないわな」

 って下種な会話だった。

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