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ヒロインなんですが誰も攻略してくれません!~誰か攻略してください~  作者: minori
第八章 大好きなイベントが始まると思ったのに……

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84/90

79.ヒロインなんですがメインイベントの先行きが不安です


 今日は朝からバタバタと慌ただしく過ごしていた。

 各々自分の支度をしながらも、星燈祭の準備もあり、今日はローランとセージの姿はまだ見ていない。

 本日は、いよいよ学園の星燈祭の日。


 幸い晴天に恵まれたので、外に飾られたもみの木も冬の夜空によく映えそうだ。

 星燈祭は冬期休暇が始まる前日に開催される。

 その為、本日の午前中は通常通り授業を行い、午後は帰宅。各々ドレスコードに着替えたら、夕方頃に学園のホールに集まるといった流れだ。

 生徒会は準備があるので、帰宅次第着替えたらすぐに学園に集まり、最終確認や運営の手伝いをしているのだが……ここにきて大事件が起こった。


「なんで星輝石今更になって足りてないの!?」


 クロトンが改めてクラス分けをしていた星輝石の確認をしていたところ、ひと箱分足りない事が発覚したのだ。

 分かった瞬間、クロトンが頭を抱えながら叫び声をあげた。


 ロベリアン様が可愛らしい白の礼服を着て生徒会室のソファにだらしなく横になっているところ、その叫び声でむくりと起き上がる。

 ソファの背からクロトンの目の前にある箱を見て「あ、それ授業で使っちゃった」と小さく呟いた。その声を聞いて近くに居た私とヴィオレの顔がさぁっと青ざめる。

 その声が聞こえない位置に居るクロトンは慌てふためきながら箱を開けたり閉めたり、近くの場所を探し始めた。


「なんでー! 誰か場所変えた?」

「ロベリアン様が私の授業用に使ってたって!!」

「何しでかしてんですか、ロベリアン様!」

「だって、使うなとか書いてなかったから……ぐすん」 

「あぁもう! 百歳超えてるのに見た目12歳程度なのやめてください! 拗ねるとすっごい可哀想に見えちゃうでしょ!!」

「見た目はどうしようもねぇだろ」


 チっと悪態をつくロベリアンに皆でピキピキと頭に青筋を浮かべながら、深呼吸をする。

 怒っても無いものは仕方がない。何かリカバリー策を考えなければ……。

 クロトンがバッと顔をあげ、作業の為に脱いでいたジャケットを羽織り、慌てて生徒会室から出て行こうと準備をする。


「多分、街の星燈祭の方に星輝石ならたくさんあると思うから、そっちに行ってもらってくる!」

「あ、そうか! 一人で大丈夫か? 結構重いぞ」

「大丈夫、これでもずっと劇団の大道具で鍛えてたからね。アイリスが弾け飛ばしても大丈夫なように沢山もらってくるよ!」


 クロトンはウインクをして颯爽と生徒会室から姿を消した。


「もう、クロトンったら……。星輝石ならとっくに私も輝かせられるようになったのに」


 私は星輝石を取り出し、1つ力を込める。

 今日これを誰かと交換して、私は甘いあのイベントを楽し……あれ? そういえば私、誰に渡そうとか考えてなかったのでは……。

 それに気が付いた瞬間、動揺したせいか星輝石が眩い光を放ちながら弾け飛ぶ。

 ロベリアンが慣れた様子で風の魔法で石の破片を叩き落とした。


「……お前、できるようになったんじゃないのか?」


 呆れた顔で私を見るロベリアン。


「出来るようになりましたよ! 今、ちょっと考え事をしていてできなかっただけで、今ならできるはず……」


 私は慌ててロベリアンに弁解をし、もう一つ星輝石を手に取る。

 今度は集中して星輝石に力を込める。

 しかし、先ほどと同じくまたもやまばゆい光を放ちながらものすごい勢いで弾け飛んでしまった。


「……あれ?」

「おーまーえーなー」

「ち、違います違います! 今度こそ今度こそ!」

「やめろやめろ! 多めにもらってくるって言ったってまた足りなくなったら困るだろ!」


 苛立つロベリアンを前に焦りながらもう1つの星輝石を手に取り、力を込めようとした手をヴィオレに掴まれ止められる。

 そうだ、また足りなくなったらたしかに困ってしまう。

 しかし、成功したはずなのに、どうしてまた出来なくなってしまっているのだろうか。


「なぜ……」

「多分だけど、あのどでかい星輝石ならできたかもしれねぇけど、この普通サイズだと難しいんじゃねぇのか? あの後、このサイズの星輝石でやってみたか?」

「……やってなかった。もうできるようになったって思って……」

「それじゃね?」

「本当にお前はダメな弟子だな」

「返す言葉もございません……」


 ロベリアンの冷たい言葉に、しゅんと顔を俯かせる。 

 どんよりとした空気を感じ取ったヴィオレが慌ててフォローに入ってくれた。


「ま、まぁ良かったんじゃねぇか? 星輝石の交換とかお前色々考えてなかったんだろ。それに、別にお前ひとり輝かせられないところで誰も困らねぇしな!」

「事実だけどそれも悲しい……」

「おい、フォローになってないぞ」


 両手で顔を覆いながらしくしくと泣いていると、ロベリアンが私の背中をさすりながらヴィオレを冷たく一瞥する。


「と、とにかく! 星燈祭まであと2時間くらいしかないんだ。さっさと準備進めるぞ!」


 そう言うと、私の顔に本日やらないといけないリストの紙をべしっと押し付けた。

 私はその紙を受け取り、まだチェックのついていない項目を見る。クロトンが居ない今、これをヴィオレと私二人でやらなければならない。


「わ、まだこんなに残ってるじゃん! 早くやらないと!」


 星輝石を輝かせられない問題はすっかり頭から吹っ飛び、ヴィオレと慌ただしく準備を始めた。

 星燈祭まであと2時間。果たしてうまく遂行できるだろうか……。


   

 

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