異世界へ
「とりあえず今日は城の中適当に2人で回ってみてください」
「あ、そういやナオはどこに…」
「ナギサああああ!!!」
凄まじい勢いで突っ走ってくるナオ。
「すごいよ!ここの武器庫すごいよ!なんでも揃ってる!」
初めてトイザらスに来た子供のようなテンションの上がりようだ。
「そりゃそうです。うちの商人が、巧みな話術を駆使して全て集めたのですから」
「その商人もまた凄いんだろうな」
「勿論です!銀貨1枚を3日で1万枚にしてきたという最強の商人です」
「また最強か…」
最強のインフレがえぐい。
「兎にも角にも、ある程度は城内のことも知っておいた方がいいと思いますよ」
それはまあそうか…。
「分かった、行くよナギサ」
ナギサの方を向くと、未だに武器庫に思いを馳せている。
攻撃魔法の達人に武器なんて必要あるのだろうか。
「ナギサ行くよ」
そう言いながらナギサの右手を引いて無理やり連行する。
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「ふぅ…これでようやく一通り回れたな」
「まさか8時間もかかるとは…」
もう窓の外はすっかり暗くなっていた。
そろそろお腹も減って…
ゴゴゴゴゴゴゴ…。
おぞましい音が轟く。
音の方を見ると、ナオが両手で顔を覆っている。
耳が赤い。
「は、恥ずかしい…」
「お腹なったのか…?」
3割程度の自信で訊いたが、静かに頷いているし正解だったようだ。
「やっぱりあれだけの魔法とか使うと腹も減るのな」




