異世界へ
2人に連れられ、広場に戻る。
この城広すぎて、当分案内が必要だな…。
「おー!すっかり姫らしくなりましたな!」
カイは俺を見てうんうん唸っている。
「なかなか歩きづらいがな」
「まあまあ、いずれ慣れますよ」
「それで、これから俺はどうすればいい?姫なんだろ?何か仕事とかあるだろ」
「先程も言いましたが特には無いのです」
「は?じゃあなんで姫が必要だったんだよ」
至極当然の疑問である。
わざわざ異世界から呼び出されているんだこっちは。
「象徴というかマスコットというか…」
「言い回しに大分落差あったけど…」
「姫という存在は必要です。ただ他国の姫が行っているような仕事は、うちでは他に行う者がいるので」
「じゃあ本当に…」
「はい。特に仕事はありません。国民の目がある時だけ姫っぽく振る舞ってもらえれば、あとは好きにしていていいですよ」
おいおい、それじゃほとんどニートじゃねぇか…。
「い、いいのかそれで」
「はい、構いません。表に立ってスピーチする時も、1通の手紙で敵国を惑わせ滅ぼした経験もある、文章力に長けた者に原稿を書いてもらいますし、他国との政治に関しても同じです。姫を囲う者全て、何かしらにずば抜けている者しかおりません」
確かに、あの仲良し女児2人組すら、変化系魔法の達人らしかったしな…。
「それならナオは?何故あいつを俺の騎士にした?」
「それはあの方が、伝説の女の戦士だからです。ひと目見て分かりましたが、あの方は攻撃系魔法最強です」
「ナオってそんな奴だったのか…」
「この国ではそういった、各分野の最強しか雇いませんので。姫様はそういった最強に囲まれて、悠々自適に暮せばいいのです!」
「まじか…」
そんなことができる世界を現実世界で望んでいたが、まさか異世界で、姫になって実現するとは思わなんだ。
ぐうたらニート姫でいいってことかよ。




