表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/32

第029話 おっさんの召喚者


 数週間ぶりに解放されたおっさんにシーラは抱き着く。


「……!」


 寡黙気質の彼女は言葉ではなく、態度で気持ちを表現していた。

 目端にミリアが映った。


「死にぞこなったねおっさん、おかえりー」

「ああ、おっさんはミリアのおかげで生き延びれたんだ」


 言うなりシーラは顔を離して聞く。


「それって、どういうこと?」

「話すと長くなるから、今は安全な場所に行こう」

「それはちょっと待ってくれませんか?」


 ほわっつ?


 なぜこんな危険地帯に居ようというのだろうか?


 賢者エグゼが抱き合うおっさん達に杖を出して割って入る。


「賢者の石のレシピを閃いたのじゃろ?」

「……」


 その材料には、人間の心臓が必要だ。

 おっさんそれが理由で、素直に言い出せなかった。


 賢者の隣に立ったアネッタが胸に手をかざし、言うんだ。


「あたしのを使ってくれない?」

「……できない。実はあれ欠陥があって、レシピをよく見たら賢者の石じゃなくて賢者の犬だったんだ」


 アネッタはおっさんの説明に「はあ?」と眉根をしかめる。

 賢者はアネッタを制止して。


「とりあえずアネッタは敵の追手の相手を頼む、何、心配せずとも賢者の石はおっさんが作ってくれる」


 そういって賢者はおっさんと一緒に逃げてきた剣闘士を見るんだ。


 すると、賢者とおっさん以外の時間が止まっていた。


 いや、正確には賢者とおっさんの時間も止まっているみたいだ。


 おっさんは賢者と一緒に幽体離脱したかのような状況にいた。


「才蔵殿、人類に残された時間は限りなく0に等しい」


 と言うよりも、もう残ってない。

 賢者はおっさんに告げると、自身の過去を映像化する。


「すべてはわしが悪いのだ」

「どういうことです?」

「元々、賢者の石は存在していたのだ。が、幼少のわしが興味本位で賢者の石を盗み、失くしてしまった」


 それは映された彼のかつての光景に残されていた。


「賢者の石はその後流れに流れ、魔族の手に渡り、空にあのような異物をつくるにいたった。それからわしは自身の失態を挽回しようと、あの者――英雄を異世界より召喚したのだ」


 ……えっと。


「あの、もしかしてエグゼ様って」


 おっさんは自分の顔を指で差した。


 まさかおっさんがこの世界に来た理由って、みたいに。


 賢者はおおらかな感じで頷き。


「然様、才蔵殿をニールデウスに召喚したのも、わしじゃ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ