メイメイとルンルン。
「ところで、弱虫君。君の本名は?」
どうやら、真黒い男が吉人の事を弱虫君として紹介しといたらしい。
全くいい迷惑だが名前は名乗っておいた方がいいと思いなおし、吉人は名乗った。
「吉良沢吉人です」
「へ~なんだか、カッコイイ名前だね。そおだ。よしよしでいい?」
なんだか、不思議なあだ名を考えてくれたらしいが、それは拒否反応しかでない、あだ名だ。
早めにこういうのは丁重にお断りしなければ、あとあと面倒なことになる。
なので、早速お断りしようとした。
「・・・・・っ」
「おいおいおいおい。俺が考えたあだ名にしとけよ。ルンルン」
しようとしたのだが、突然、真黒い男がどこからともなく登場したので口を開きかけただけで断ることはできなかった。
「やあ、メイメイ。だって、あんまりにも可哀想じゃない。弱虫君なんて」
「でも、こいつをバッチリ表現できてると思わねえか?」
「確かにそうなんだけどさ~。名前があるんだから、名前で呼んであげないとせっかくの名前が泣いちゃうよ~」
「そんなこと言ったって、ルンルンだって呼んでねえじゃねえか。よしよしって・・・」
「まあ確かにそうだけど。でも、よしよしは名前の中に入っているからよくない?」
「いくらなんでも、こいつはここの世界の人間じゃねえんだから、まずいだろ。そんな名前、付けられちゃ、こいつ、この世界に縛られちゃうじゃねえか」
「う~ん・・・じゃあ、なんてあだ名つけよかな~」
さっき軽く付けた名前が真黒い男メイメイに却下され、彼は真面目にほかのあだ名を考え始めた。
「あの・・・」
本人を置いてけぼりの、そのあだ名決め相談会は本人には一切の相談もなしに始められ、現在も開催中だ。しかし、このままでは、どんな恐ろしいあだ名を付けられやしないかとヒヤヒヤしてあだ名決め相談会を黙って見守っていだが、もう我慢できずに口を開いた。
「「何?弱虫君」」
声を掛けられて、二人は声を揃えて吉人の方を振り向いた。
「俺、吉人でいいです」
頼むから、他の変なあだ名をつけるなと必死で目で訴える。
「う~ん。それじゃあ、つまんないじゃない」
「あだ名は、面白みがねえと駄目なんだよ」
分かってねえなという顔で、二人は吉人を見た。
「あ、そういえば僕、まだ名乗ってなかったね~。僕はルンルン。メイメイも、名乗ってないんでしょ?どうせ」
「ああ。俺はメイメイ。これからよろしくな」
二人とも、なんだか動物園のパンダみたいな名前だ。ルンルンの方はいいとして、メイメイの方は真黒い男の名前には思えない。というか、真黒い男の名前にしては可愛すぎる。
「ぷっ・・・」
ついつい、吹きだしてしまった。
「ああ?どっちの名前に吹きだしたんだあ?」
それを、目ざとく見つけメイメイはガンつけた。
「ごっごめん。メッメイメイだっ。ふっふふっ」
あんまりにも、メイメイと本人にギャップがありすぎて、笑えてしまった。
「すげ~。メイメイの名前を笑えるなんて・・・めっちゃ度胸あるじゃん、吉人君」
ルンルンはメイメイの顔を見つめたままそう呟いた。
ルンルンとメイメイ・・・確かに、パンダみたいな可愛らしい名前ですね。ルンルンとメイメイ・・・。
ルンルンはともかくとして、メイメイは・・・。似合わなすぎる。
本人は、結構気に入ってるんです。だから、なんで、皆が笑うのかが理解できない・・・ので物凄く怒りますが、吉人君はお気に入りなので怒られはしません・・・。




