不良に殴られる!?
いつだってそうだった。
俺は、必ず見放されるのだ。
天から?神から?違う。人間からだ。
どんなにピンチに陥ってもヒ―ローは現れてくれない。
まあ、現れるなんて最初から思っちゃいないけど。
それでも、少しぐらい夢を見たっていいだろう。というか、見せてくれ。
でも、俺にはそれが出来なかった。自分がやらなかったんじゃなくて、環境や周りの人間がそうさせたんだ。
ああ、本当に俺はとことん見放されているんだなと感じた。
いつものことだ。それを嘆くのにも、もう飽きた。
嘆いたって、この俺の状況は何一つ変わらない。
嘆かなくたって、結果は変わらない。
悲しんでも悩んでも助けを求めても、結果は変わらない。
だから、もう、飽きることにした。
それに、自分でどうにかできる事じゃない。
相手は、強そうな不良達数人。
けれど、こっちは自分一人。
これで、まだ、有段者なら良かったけれど、そうでもない。漫画や小説みたいに突然必殺技が使えるはずもない。
奇跡を願ったって、現実には起こらない。
人は、世界はとても残酷だというけれど、俺は人が残酷なんだと思う。
今だって、三人は助けもせずにその場を離れた。
まあ、見ず知らずの人間を助けようなんて酔狂な人間、そうそういないけど。それに、三人は、自分の友達の友達が俺にやられたってことを信じて疑ってない。だから、助けてくれない。俺は、違うって言っているのに。
そう、人は本当に残酷だ。見ず知らずの真実を知っている他人より、嘘を言っているかもしれない友人を信じるのだから。
それでも、友人を信じられない馬鹿な奴にはなりたくないと思う。
それに、この人たちは不良だ。不良だけに、友人というのはつながりが強いのかもしれない。
吉人は、そっと目を閉じた。
もう、抗えないと理解して、諦めて。
いつだって、人が彼を裏切り、苦しめる。
それこそ、残酷に。彼にとって、人の方が残酷で世界の方が優しいのだ。
だから、今日も残酷な人の理不尽な横暴を黙って受けれる。
本当は、身に覚えのないことで殴られるのは嫌だったけれど。
それでも、言ったって信じてくれないから。
だったら、大人しく殴られておこう。抵抗でもして、余計に殴られるのは嫌だから。
しかし、吉人に一向に痛みは襲ってこない。
(・・・?)
さっきまで、あんなに活気づいていた不良の声すらしない。
どうしてだろう・・・?そう思って、恐る恐る目を開けた。
「よお。弱虫君」
そう言って、真黒い男が笑った。
なんだか、とってもシリアス調に。大丈夫・・・です。次から明るくなってくるはずです。
これはあくまでも、小説なので・・・。実際にはないです。勿論。




