表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
珈琲を焙煎してたら恋琲になっていました  作者: エンザワ ナオキ
住み込みバイト編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/107

第98話:番外編① 蜜柑の憂鬱

 これは、俺が熱海に行く前日の出来事である。


 今日は、本来ならば住み込みバイトの最終日。

 そのため、俺や桃果とうかちゃんをはじめ、蜜柑みかんもそれぞれの荷物をまとめていた。


 俺が自室でトランクに荷物を詰めていると、蜜柑がノックもせずに突然部屋に押し入ってきて、険しい表情で問い詰めてきた。


「つばさ……本当にいくの?」


「行く……? あぁ熱海か、呼ばれたからには行かないと……」


 俺は手に持っていた下着を、そっとトランクにしまった。

 

「雫……何が目的なの?」


「目的と言われても、俺もわからないんだよ」


 蜜柑は口を尖らせ、俺をジロリと睨みつける。

 「何が目的」と言われても、俺には全く見当がつかなかった。

 俺が片手間で荷造りを続けていると、蜜柑はバンッと机を手で叩き、強引に俺の注意を引きつけた。


「手紙見せなさい!」


「手紙?」


「雫から貰ったって……。桃果ちゃんから聞いたよ」


 俺は、一瞬ピタリと手が止まった。

 しかし、その手紙はすでにトランクの奥底にしまっている。

 話を誤魔化すように、俺は再びそそくさと作業を続けた。


「つばさ……帰ってきたら、実家に遊びに行くからね。杏樹あんじゅちゃんにも言っておいてね」


 蜜柑は、コンコンと机を叩きながら俺に念を押す。

 俺はふと思った。

 「実家に遊びに行く」と言うが、2、3週間に一度のペースで遊びに来ているだろう……と。


「とにかく、私の気持ちも忘れないでね」


「わ、分かってるよ……」


「本当にぃ?」


 俺の顔を下から覗き込むようにして、蜜柑がジッと目を合わせてくる。


「……まぁ、わかってるならいいや。アイスコーヒー淹れてくるね」


 そう言うと、蜜柑はパタパタと部屋のドアを開け、1階のカウンターへ向かった。


 その後、俺は蜜柑が淹れてくれたコーヒーを飲んだのだが……いつもよりやけに苦く、飲みづらかった。

 コーヒーの味にも彼女の動揺が出ているのか……もしくは、何かの訴えなのか……。


 真意は不明である。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけたら、下の【☆☆☆☆☆】から評価やブックマークをいただけると、執筆の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ