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珈琲を焙煎してたら恋琲になっていました  作者: エンザワ ナオキ
住み込みバイト編

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第95話 信頼のその先へ

 静まり返った客室に、俺と雫ちゃんは二人きりで取り残された。


 なんとか、二人の本音を引き出すことには成功した。

 ……しかし、おばあちゃんは結論を出さずに、部屋を後にした。


 気まずい沈黙が流れる室内……。

 何を話せば良いのだろうか。


「つ、つばさくん。本当にありがとう」


「う、うん……だけど、一発で上手くはいかなかったね……」


 せっかく〈嫌われ役〉を買って出たが、思ったようにすぐ解決する結果には至らなかった。

 もしかしたら、もっと良い方法もあったかもしれないが、俺にはこの荒技しか思いつかなかったのだ。


「じゃあ、俺は温泉にでも入ってくるね」


 着替えを持ち、俺が部屋の入り口に向かおうとした、その時だった。


「つばさくん! ほ、本当はね……」


「ん?」


 温泉へ向かう準備をしていた俺を、雫ちゃんが駆け寄るようにして呼び止めた。

 

「私……ここに呼ばれた時点で、おばあちゃんからお店を継ぐか継がないかの話をされる気がしたの……」


「え、え? そうなの?」


 雫ちゃんは、お店の話が出ることをなんとなく予想が出来ていたみたいだ。

 うつむきながら真実を口にした雫ちゃんに対して、俺は驚きつつ言葉を返した。


「そうだったんだ……。それなら、最初から言ってくれれば良かったのに……」


 最初から言ってくれていれば、こんな強行突破じゃなく、もっと平和で良い解決方法を思いついたかもしれないのに。


「私、つばさくんなら、真実を話さなくても、何とかしてくれるって、……勝手に期待してたのかもしれない……」


「俺は、そんなに優秀じゃないよ……」


 俺のことを、雫ちゃんは過信しすぎている。

 しかし、そこまで信用してくれている事実が、なんだか嬉しくて、自然と口角が上がってしまった。


「何ニヤけてるの?」


「えぇ? ニヤけてないよ」


「ば、馬鹿なんだから……はやく温泉にでも行ってきたら良いよ」


 そう言うと、雫ちゃんは少し赤い顔でプイッと振り返り、部屋の奥へと戻って行った。


 それだけ信頼されているなら、その信頼に何とか応えたい。

 そのために、今の状況を整理しておかねば……。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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