表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリエイト!(その3)  作者: 大塚
新しい始まり
98/118

最後の質問

「僕は楽しかった、ああいう話ってなかなか真面目に話さないし。」

 山崎会長は素直にうなずく。

「よかったです。」

 猫実さんは手を合わせて、喜んだ。

「進行がうまくいくか不安で…よく眠れなかったんです。」

「大丈夫ですか?」

 巧は急に心配になったが、猫実さんは、

「巧さんに肩をもんでもらったので大丈夫です。」

 と理屈じゃないことを言う。巧は安心して良いのかどうかわからない。

 猫実さんが堂々と進行役をこなしていたので、緊張していたことを想像できなかった。

「もっと時間をとってゆっくり話したいなと思いました。」

 日菊先輩は、控えめに意見を差し込んだ。

「お弁当を食べながらだと、ボールを回しにくいし、放課後に一時間ぐらい時間をとって、静かな教室でやるとかの方がいいかも。」

「な…なるほど。」

 猫実さんは日菊先輩の意見に驚く。静かに考え尽くされたことを言われてしまった。

「確かに、ちょっと昼休みはやりづらかったかも…。」

 と猫実さんがあごに手を当ててうつむく。

「放課後にやってみる価値はありそうですね。」

 巧も考えれば日菊先輩の意見がもっともに思えてきた。

 昼休みの方は騒がしく、巧にとっては声が聞き取りづらかった。それに、色々な人に見られながらだと、恥ずかしくて意見も言いにくい。

 猫実さんはうなずいて、即座にスカートからメモ帳を出して、メモをした。

 それから、日菊先輩はいくつか用意してきた質問をして、巧たちはそれに応えた。大変だったことを聞かれて、人助けではなく、二人でいろいろあったことが思い浮かぶのがおかしかった。

「最後にお助け部のこれからの目標を聞きたいと思います。」

 日菊先輩は二人を少しづつ見た。巧は考える。猫実さんが巧の方をチラリとみる。

「これ、実はあんまり考えてないので、今それぞれ思いついたことでいいですか。」

「はい、では、一人づつ抱負を語ってくだされば。」

「僕は、もっとお助け部のために役立ちたいなと思いました。」

 巧はずっと思っていたことが、口をついて出た。

「今まで、僕自身がお助け部と言うか、猫実さんに助けられていたので、今度は僕の方から何かしたいなと思います。」

「そうなんですね。」

 日菊先輩は、巧の言葉の勢いを受け止めるようにうなずく。

「例えば、どんなふうに助けられたのですか。」

 巧は、そう簡単に引出されてもいいのか、と一瞬戸惑ったが、言うことにした。

「僕は、学校の中でもあまり居場所がなかったんですけど、お助け部に入って、人のために何かをしようと思ってから変われた気がします。これからは文章を書くのが好きなので、それで何か役立てたらな、と思います。」

「そうなんですか、頑張ってください」

 日菊先輩は、巧の言葉を書き留めてからそう言った。

「頑張って」

 と山崎会長も言ってくれた。

「頑張ってください。」

 と、なぜか猫実さんが一番大きな声で言った。

「あ、ありがとうございます。」

 と巧はおずおずと引き下がる。

 今度は猫実さんの番だ。三人の視線が集まる。

 金子先生も、結局カメラを持ったまま、最後まで付き合うことにしたようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ